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おすすめ本

2012年9月 9日 (日)

「裏切りの峡谷」

メグ・ガーディナー「裏切りの峡谷」集英社文庫

違う出版社から出ていますが「チャイナ・レイク」に続くシリーズ2作目。
児玉清さん絶賛の作家さんです。

ヒロインのエヴァン・ディレイニーは、弁護士資格を持つ新進SF作家。
前作で預かっていた兄の幼い息子は兄の元へ戻ったので、ちょっと寂しいところ。
恋人ジェシーとの結婚準備に忙しいのですが、勝ち気でボーイッシュなエヴァンにとって、ドレス選びなどあまり柄ではありません。
従姉妹のテイラーが夫の赴任で近くに住むことになり、派手で強引な従姉妹のやり口に悩まされることに。

ジェシーは3年前に車でひき逃げされて重傷を負い、車椅子の身。
そのときに親友アイザックを失っていました。
ひき逃げして国外逃亡した犯人フランクリン・ブランドが、何故か舞い戻ってきた!?
仕事で出かけた企業の仮装パーティ会場近くで、二人は彼を目撃します。
ブランドは確かにその企業「マコ/テクノロジー」の元部長でしたが、今頃何故?

親友の兄アダムは、激昂。
ジェシーとアダムは、アイザックと3人で、水泳選手のチームだったのです。
ブランドは逮捕されますが、難なく保釈金を積んで保釈されてしまう。
妙な動きを見せるブランドをエヴァン達は協力して尾行、州外に逃亡しないように見張ることに。
裏社会の人間まで関わっている様子で、エヴァン達は警察には邪魔者扱いされ、FBIも事情調査に押しかけてきます。
何か事情が…?

FBIに付きまとわれるジェシーには、何か秘密があるらしい。
それに絡んで過去の恋愛を知ったエヴァンは嫉妬を抑えきれず、緊張の最中に思いがけない溝が出来てしまう。
あれほど愛し合っている二人だったのに…
さて?

1作目ほど無茶派手ではないけれど、ドラマチックな読み応え。
鮮やかな描きっぷりで、思いがけない展開にも納得がいきます。
スティーヴン・キング激賞だけのことはある?
作者はマッチョな男性が好きみたいなんだけど、最終的にはヒロインの方が強いのね。
俗物な従姉妹の催したブライダルシャワーに困惑したり、のんきな受付嬢がその仕事を手伝うことになるなど、ちょっとした面白みも。

2012年5月 8日 (火)

「チャイナ・レイク」

メグ・ガーディナー「チャイナ・レイク」ハヤカワ・ミステリ文庫

デビュー作。
にしては、厚みのある描写でスリリング。

ヒロインのエヴァン・ディレイニーは、SF作家として売り出し中。
元は弁護士で、今も少しはそういう仕事をしています。
舞台は、カリフォルニア州サンタバーバラ。
一人暮らしでしたが、兄の妻が出て行き、8ヶ月前に兄が太平洋勤務に出てからは、幼い甥ルークの面倒を見ています。

弁護士仲間だったジェシー・ブラックバーンが恋人。
ジェシーはハンサムで長身で、今も水泳で鍛え上げられた身体。
交通事故で2年のリハビリを経て、松葉杖で立つことは出来るが脚の感覚がほとんど無いという状態でした。
車椅子を巧にあやつって移動しつつ、仕事もしています。

兄ブライアンは、海軍中佐で戦闘機パイロット、二人の父親も軍人。
エヴァンもボーイッシュで、兄を誇りに思っていますが、銃は嫌い。
ブライアンは肉体的にあまりに優位なため、車椅子のジェシーを見てうろたえ、ヘマな発言をして、元々皮肉屋のジェシーにやり返されて険悪になる一幕も。

家を出た兄の妻タビサが街に戻ってきて、しかもカルト的な集団レムナント<生き残りし者>に所属していました。
親友の母の葬儀に押しかけて、エイズ死を汚れていると非難するプラカードを掲げる彼らとケンカになるエヴァン。

周辺で見え隠れする~不気味な動き。
何か起こそうとしているらしい彼らの意図は?
なぜか、ルークに執着している様子が見える…
脅しは、どこまで本当なのか?
6歳のルークを守ろうと奔走するエヴァン。

チャイナ・レイク基地に勤務する兄の家で集団の指導者が殺されているのが発見され、兄は容疑者に…
エヴァンとルークはジェシーの家に移り住むのですが、そこにも魔の手が!

体当たりの果敢なヒロインが、孤軍奮闘します。
SF作家だというので、狂気の集団が起こそうとしているテロの意図を警察に説明しても、想像が過ぎるのではと本気にされなかったりするという。
銃なしでその場にある物で応戦。
これほどの危機を乗り切れるのなら、何にだって勝てそう。
読み応えがありました。

作者は1957年生まれ、サンタバーバラ育ち。ロースクールを出ている。
イギリス人と結婚して、夫と子供3人とイギリスに住む。
2002年に、イギリスで本書を発表。
アメリカではイギリス人が書いた物と思われて発行されなかったが、スティーブン・キングに見いだされて刊行。
2009年のMWA最優秀ペーパーバック賞受賞。

2012年3月21日 (水)

「心理検死官ジョー・ベケット」

メグ・ガーディナー「心理検死官ジョー・ベケット」集英社文庫

児玉清さんが推薦していたので、読みました。
なるほど~ジェフリー・ディーヴァーをこよなく愛する児玉さんらしいかも。

ジョー(ジョアナ)・ベケットは、法精神科医。
警察の依頼を受けて、死者が生前どういう精神状態にあったかを調査して心理を分析、死因の判断に寄与するのが仕事。

連邦検事補のキャリー・ハーデイングが、謎の交通事故死。
自殺のように見えるが、その理由は見あたらない。
美人でやり手で、出世の階段を上っていたのに。

彼女の脚には、口紅でdirtyの文字が…?!
精神科医が急に現場にまで呼び出されるのは異例のことでした。
ジョーを呼び出した市警察警部補のエイミー・タングは、小柄な中国系。
「セレブの謎の死が相次いでいるので、食い止めたい」とジョーに告げます。
警部補のとっつきはよくないのですが、仕事熱心な女性同士、しだいに信頼関係が出来ていきます。

「ダーティ・シークレット・クラブ」という謎めいた組織の存在が浮かび上がってきますが、その正体はなかなかわからない。
この妙な設定の強烈さが、ユニーク。
ストーリー展開は、かっ飛ばし気味にスリリングです。
さらに、ジョー自身の過去にまつわることも起きてきて…?

ジョーは、アイルランドにエジプトと日本が混じっているという、血筋がわかりにくいエキゾチックな外見。
祖母が日本人という設定で、祖母に教わったという日本趣味が時々ちらっと出てくるのはご愛敬。

登場人物は、派手で多彩。
ジョーには救急の現場で、夫を亡くした過去がありました。
夫の同僚で、空軍州兵の降下救難隊だったというカッコイイ男性も登場。
マッチョというか?ものすごく理想的な~気はやさしくて力持ちな男性が好きなようです。

作者は、1957年カリフォルニア州生まれ。元弁護士。
イギリス人と結婚して、イギリス在住。
イギリス人がアメリカを舞台に書いたと思われて、アメリカでの発行は遅れたそうです。
この本とは別シリーズの「チャイナ・レイク」で、スティーブン・キングに絶賛され、2009年エドガー賞最優秀ペーパーバック賞受賞。

エドガー賞とはMWA賞(アメリカ推理小説作家クラブ賞)のことです。エドガー・アラン・ポーへの敬意を込めての通称。

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