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2013年5月19日 (日)

「ファイアーウォール」

ヘニング・マンケル「ファイアーウォール」創元推理文庫

スウェーデンの警察もの。
刑事クルト・ヴァランダーのシリーズ第8弾。

仕事は有能だけど、数年前に離婚し、世話がかかった父をなくし、恋人バイバには去られ、糖尿病を抱える50男ヴァランダー。
かっての親友ステンも、牧場を売って遠くへ行こうとしています。
娘のリンダとはうまく行っているが、遠くに住んでいて忙しい。
付き合う相手を求めたらどうだというリンダの勧めで、迷いつつも広告を出すことに。

19歳と14歳の少女がタクシー運転手を襲って金を奪い、怪我させたのがもとで死なせてしまう事件が起きます。
罪悪感がなくふてぶてしい二人の様子にショックを受ける大人たち。
ただ金が欲しかったというのは、嘘だと直感するクルトですが‥

14歳のエヴァが母親に何度も殴りかかるのをとめたクルトは、エヴァを殴ったところを写真に取られ、新聞に報道されてしまう。
母親はエヴァが殴ったことを否定。問題となったため署長に疑われ、クルトは苛立ちます。
19歳のソニャは署内から脱走してしまい、後に変電所で死体となって発見されることに。
自殺か他殺か? 事件は奇怪な様相に。

中年の男性ファルクがATMの前で倒れていたという事件も起きていました。
ファルクはITコンサルタントで、当初は心臓発作かと思われたが、不審な点があり、しかも遺体が盗まれてしまう。
ファルクの遺したコンピュータは異常に警備が厳重で、クルトらはハッカーの少年を頼ることになります。

コンピュータ犯罪がテロリズムに悪用されるという現代的なテーマ。
国際的なスケールになっていくと、作者の独壇場ともいうべきペースに。
アフリカに住んでいたこともあるマンケル。
今回はルアンダでの出来事が事件の背景に。
原著は1998年ですが、古さは感じません。
コンピュータに詳しかったら、やや古いのかな?

署内での問題も起こり、内憂外患といった趣だけど、娘のリンダが将来を決めたと報告してくる喜びも。
リンダ中心の作品も出るのかな?

2012年翻訳発行。
あと2作で完結だそうです。
その前にシリーズ外作品が発行されるとか。
それも楽しみ。

2013年4月16日 (火)

「笑う男」

ヘニング・マンケル創元推理文庫

スウェーデンのミステリ。
クルト・ヴァランダー警部のシリーズ4作目。
「殺人者の顔」「リガの犬たち」「白い雌ライオン」に続く真ん中へんですが、順番めちゃくちゃに読んだので、これが最後になりました。
(…あ、もう新作出てます!)

前作で正当防衛ながら人を殺したことにショックを受け、1年も休職していたクルト。
ついに仕事を辞めると決意したとき、友人の弁護士が保養先に訪れます。
父が事故死したのだが、その様子に不審な点があるので、調べて欲しいと。
クルトは断るのですが、その友人が殺されたと聞き…

アン=ブリット・フールグンドがここで初登場していました。
イースタ署では初めてだという紅一点の新米刑事なので、最初は同僚に評価されないでいます。
でも子どもが二人いるしっかりした女性。
クルトは素質を見抜き、新時代の警官になるだろうと思うのです。

弁護士トーステンソンの父親は、取引先から帰る途中で事故にあいます。
取引先とは、ファーンホルム城に住む富豪のアルフレッド・ハーデルベリ。
署長が気を遣うほどの名士で、世界を飛び回っているため、面会することすら難しい。
強引に約束してクルトが聴取に出向いたハーデルベリは、笑顔を絶やさないカリスマ性のある男でした。

クルトは子どもの頃に、画家の父親の絵を買っていた大金持ちのことを思い出します。
絹の服を着て高価な車に乗っていた彼らはどこか、怖かった。
父親が卑屈にふるまう顧客を、幼いクルトはシルクライダーと呼んでいたのです。

城の様子を探るため、旧友にも協力を頼むクルト。
弁護士の女性秘書までが狙われ、事態は急迫してきます。
癖のある古手の警官達と付き合いながらの捜査。
一番変わっているのはクルトかも知れないけど。
休養の後なので、珍しく健康らしいけど、捜査に熱中して、ひげを剃らないまま事情聴取に行ったり。
鑑識のニーベリは有能で、検事のオーケソンは冷静に協力し、フールグンドも期待通り活躍します。

国際的な富豪が相手とは、小さな町の警官達で解決出来るのかと思いますが~ここは頑張るんです。
それどころか、クルト一人でも解決しそうな勢い~単独行動が多いのでね。
「クルトが元気になるには、ちゃんとした事件が必要なんだ」と同僚に評されます。
アクションシーンをまじえて、さくさくと進む警察物で、このシリーズにしては標準的な読み応えかな。
手紙を出していた美しい未亡人バイバには、会って貰えそう?

2012年11月 8日 (木)

「背後の足音」

ヘニング・マンケル「背後の足音」創元推理文庫

昨年夏翻訳発行の新作(読んだ時点では)。
スウェーデン南端イースタ警察のクルト・ヴァランダー警部のシリーズ、7作目。(もう8作目も出ました!)
前の事件から2年後。

リガに住む恋人バイバとは4年間断続的に付き合っていましたが、やはり国が違うために結婚は出来ないと断られてしまう。
一方、亡くなった父親の家は、売りに出すことになります。
ヴァランダーは体調が悪く、離れて暮らす娘のリンダとせっかく出かけても、あまり疲れている様子に驚かれたり。
さすがに病院へ行くと、血糖値が高いとわかり、動揺することに。

真面目な警官であるカール・スヴェードベリが連絡を寄越さずに休み、おかしいと気づいたヴァランダーは夜中に一人で彼の家へ。
死体を発見してしまいます。
誰とも深い付き合いのなかった彼が、唯一仲の良かった看護師の従妹イルヴァに、ヴァランダーを友達と言っていたと聞いて、驚きます。
スヴェードベリの意外な一面、そして不審な行動がしだいに明らかに…

若者3人が夏至の前夜、仮装パーティに集まったまま、旅行に行ったという葉書の後、行方不明に。
この事件をスヴェードベリは気にしていたらしい。
おりしも、3人は遺体で発見される。
現場の様子には不自然さがありました。
パーティに参加するはずだったもう一人の女の子イーサを訪ねたヴァランダー。
イーサの両親は裕福ですが、連絡しても旅行先から帰っても来ない冷たさ。孤独なイーサは、何か隠している?

犯人側の視点も少しだけありますが、正体や動機が全くわからないので、怖さがあります。
後ろから迫って来るかも知れないような。
相変わらず不健康なヴァランダーですが、事件には没頭。
のめりこみ&ひらめき型なので、読んでいる方も引きこまれていきます。

地道な捜査で、殺人者を追いつめていく所は、迫力。
犯人の方でも、次の標的や、警察を狙っているのだから、それが交錯していくスリルで、胸が苦しくなりそう。
犯人の人間像も、筋が通っているわけではないのが、またリアルな怖さがあります。
とうてい幸福とは言えないが、決して暴力的ではなかった人間がなぜ突然、凶行に走ったのか…

孤独がちなヴァランダーですが、思いがけない休暇を過ごすことに。
船でもはや住む人のいない島へ渡り、この国に人が暮らし始めた原点を思う。
最後に何とも良いシーンがあります。

北欧では、夏は「暖かくて快適」な季節で「暑くてしんどい」というのはないそう。
そのため夏至祭は、クリスマス以上に盛り上がるハッピーな時期なのだと。
後書きにそうあったので、あらためて事件の印象を認識しました。
1997年発表の作品、2011年7月翻訳発行。

2012年6月12日 (火)

「白い雌ライオン」

ヘニング・マンケル「白い雌ライオン」創元推理文庫

スウェーデンのミステリ。
警部クルト・ヴァランダーが主人公のシリーズ3作目。
ここから分厚くなってます。

イースタはスウェーデン南端の田舎町ですが、交通の要衝にあるため、国際的な事件も起きうるのでした。
今回は、思いも寄らぬ南アフリカ共和国の陰謀に巻き込まれます。
南アフリカでの人種問題をさかのぼるプロローグから、重厚に書き込まれています。
国際的なベストセラーになった理由がわかる気がしました。

ヴァランダー個人は妻に出て行かれたのはもう諦めたものの、次の一歩は踏み出せず、落ち着かない精神状態。
ストックホルムに住む娘のリンダが心配で、いつも会いたがっていますが、なかなか上手くいかない。
捜査のためにストックホルムに出向くと、リンダがすっかり大人の女性になっていることに気づかされます。
クルトの父親は画家で、すこし呆けかけているような兆候もあるのですが、家政婦と結婚すると言い出して、ヴァランダーを焦らせます。

ごく普通の主婦が3日、行方不明に。
おそらくもう死んでいるだろうと感じながらも口には出せず、捜査に取り組む署員。
捜査していくと、主婦にも意外な側面があったりはするのでしたが。
ヴァランダーは事件にのめり込むことで突破口を見つけるタイプ。
容疑者の一人と深く関わることになります。

南アフリカ共和国での出来事も緊迫していて、迫力。
ひどい人種差別が長く続いた後、変化が訪れようとしているのですが、それに対する抵抗も大きい。
権力を握るボーア人(オランダ系入植者)の生活ぶりがリアルなので、ネルソン・マンデラ暗殺を狙う動きも説得力があります。
1993年発表当時、マンデラが27年間の投獄から釈放されたという時期から隔たっていないリアルタイムだったことも、力のこもっている原因かも。

ソ連の崩壊も、世界を突き動かしていたのですね。
南アフリカからは遙かに遠いスウェーデンがなぜ関わるか、ということにも理由はちゃんとあるのです。

暗殺のために雇われた殺し屋マバシャは、アフリカのズールー族の出。
異国をさまよう男の心象風景に、深みがあります。
ヴァランダーの家族まで巻き込んだ対決と、銃撃戦へ。

作者は何年もアフリカに住んで仕事をしていた経験があり、帰国後にスウェーデンの人種差別が悪化していると感じたとか。
それも実感を伴った描写に繋がっていると思います。
2004年9月翻訳発行。

2012年1月24日 (火)

「リガの犬たち」

ヘニング・マンケル「リガの犬たち」創元推理文庫

スウェーデンの警察ものミステリ、シリーズ2作目。
田舎町イースタの警部クルト・ヴァランダーが主人公。
妻に去られてしまい、今はそれなりに落ちついては来たのですが、警察の仕事に疲れて、転職を考えているのでしたが…

今回は、ラトヴィアという異国が主な舞台に。
バルト三国の一つで、ソ連解体の時期に大揺れとなって、荒廃していました。
スウェーデンはそう遠くはないのですが、体制が違うため行き来は滅多にない。
救命ボートで流れ着いた死体は二人が抱き合うように乗せられ、高級なスーツを着ていました。
何の印もないボートが、じつはラトヴィアの物だったようなので、合同で捜査することになるのでしたが…

ラトヴィアからたった一人で訪れた警官リエパ中佐は、言葉もなかなか通じない。
ヴァランダーと下手な英語でやりとりすることに。
地味だが優秀なことを、互いにすぐ理解し合うのでした。
ところが…

逆にラトヴィアの首都リガを訪れたヴァランダーは、制約の厳しい街に違和感を覚えます。
決められたホテルに泊まり、待遇は良いけれど、ホテルの往復にも見張りが付いている様子なのです。
リエパ中佐の妻バイバが、こっそりホテルを訪れ、何かを告げようとします。
何が起こっているのか?
ヴァランダーはこれまで何も知らなかったと痛感することに。

美しいバイバは、忘れられない女性に。
スパイ物めいた異色作ですが、ヴァランダーの人生に大きな変化が訪れるので、じつは見逃せない作品でした。
1作目は前に読んだんですが…
最近作のほうを先に読んでるので、順番が滅茶苦茶になってますけど、どれも水準に達する読み応えのあるシリーズです。

2011年10月 7日 (金)

「五番目の女」

ヘニング・マンケル「五番目の女」創元推理文庫

スウェーデンの警察物。
クルト・ヴァランダーが主人公の人気シリーズ、6作目。
スウェーデン南端のイースタは小さな町ですが、交通の要衝に当たっているために犯罪は少なくないのです。

ヴァランダーは、父とローマ旅行に行って帰ってきたところ。
父は気むずかしく、痴呆が時折出てもいたのであまり上手くいっていなかったのですが、旅行先では楽しく過ごすことが出来ました。
父は長年ほとんど同じ絵を描き続けてきた画家で、イタリアに行くのは生涯の夢だったらしい。
その旅行に同行できた幸せを感じるヴァランダー。

帰国後、妙な事件が相次ぎます。
元自動車販売会社経営の老人エリクソンが行方不明になり、様子を見に行ったヴァランダーは、エリクソンが敷地内の壕に落ちて串刺しになっているのを発見。
周到に用意された犯罪の残酷さに、一斉捜査にかかったメンバーは青ざめます。
花屋の老人ルーンフェルトが、海外旅行に行くはずが行っていないという事件も。
孤独がちで無害そうな彼らに、何が…

犯人の側からの描写も入るので、大体犯人像はわかっているのですが、詳細はむろんわからない。
前半は、恐るべき犯人が警察の前に立ちはだかるという印象。
連続殺人であっても、サイコパスというわけではない、知性と狂気を併せ持つ犯人。意志が強く計画的。
後半、犯人に迫っていく様子がスリリングに描かれます。

父の死、その前後の家族の気持ちや、やりとりも。
娘のリンダは独り立ちしていて、なかなか連絡もくれない。
ヴァランダーは恋人のバイバと結婚を考えているのですが、両親の離婚を見ていた娘には、結婚に向いていない人間なのにと批判されてしまいます。
バイバになかなか連絡ができず、結婚したい気持ちになっているにしては、仕事優先過ぎ?おいおい、どっちなのよっていう。

治安の悪化を憂えて市民自警団を作る動きが活発化し、それも警察には頭の痛い問題となります。
マーティンソン刑事の娘が学校でいじめに遭い、父親が刑事だからという理由だったために、真面目なマーティンソンは辞職を考えるほど。
引き留められるのはあなただけと言われるヴァランダー。
事情聴取に際して、ヴァランダーの人柄が生きてきます。
情熱的で、のめり込みタイプなんですね。

シリーズ1作目では、妻に出て行かれて破綻していましたが、少し落ちついたかな。
1996年発表のシリーズ6作目、2010年8月翻訳発行。

2009年11月26日 (木)

「殺人者の顔」

ヘニング・マンケル「殺人者の顔」創元推理文庫

警部クルト・ヴァランダーのシリーズ、1作目を読んでみました。
1990年代のスウェーデンを代表する警察小説シリーズで、世界的なヒット作の始まりです。

クルトが住むイースタは小さな田舎町ですが、スウェーデン南端で港があり、国境に近い特殊な位置にあります。
雪の降る1月、村はずれの農家でひっそり暮らしていた老夫婦が惨殺されてしまいました。一体、なぜ?
「外国の」という一言を残したため、移民問題で揺れる町でさらに事件が…

主人公のクルトは、刑事としては有能なのですが、妻に出て行かれて3ヶ月、8㎏も太ってしまったところ。
最愛の娘は15の頃に自殺を図ったことがあり、今は少しは落ち着いたようにも見えるけれども、どこにいるのかなかなか連絡も取れない。
そして、老いた父親がボケはじめ…

もろもろの悩みを抱えたクルトは、美人検事の赴任に驚きつつ喜びますが、言い寄ってみては思い切りはねつけられる始末。
多難な中年男の暮らしが、どこかユーモアも交えてリアルに描写されています。
後の話題作に比べると書き込みは少なめで、1冊でコンパクトにまとまっていますが、要素はすべて出そろっているんですね。
1991年の作品。2001年翻訳発行。

ヘニング・マンケルはストックホルム生まれ。
裁判官の父が赴任した田舎(このシリーズの舞台に近い)で成長し、後にアフリカで劇場に携わり、ノルウェーに住んだ経験も。
北欧のミステリに与えられる「ガラスの鍵」賞を、この作品で最初に受賞。
後に「目くらましの道」でCWA賞ゴールドダガーを受賞したシリーズの一作目です。

2009年2月22日 (日)

「タンゴ・ステップ」

ヘニング・マンケル「タンゴ・ステップ」創元推理文庫

2008年翻訳発行。このミスなどでも高く評価されています。
2000年に発表されるやヨーロッパ各国で好評だったという作品。
確かに、スケール感もあり、主人公が自分を見つめ直す設定が独特な、意欲作です。

主人公は、ステファン・リンドマンというボロースの警察官。
37歳にして舌ガンを宣告され、動揺しているときに、かっての同僚で指導してくれた先輩だったヘルベルト・モリーンが惨殺されたと知ります。
病気休暇中のステファンは、恋人のエレナをおいて現地に飛び、しだいに捜査にのめり込むのです。

ヘリェダーレンの森深く、隠れるように住んでいたモリーンは何を恐れていたのか?
最初に1945年当時の出来事や、犯人の視点の描写も一部あるので、推理小説というより歴史もの犯罪小説?かと思いきや、意外な第二の事件が起こり…

事件の背後には、過去の事件の影響だけでなく、いまだにヨーロッパに根を張る暗闇が…!?
地元警察のジョセッペ・ラーソンと協力しつつ、捜査に加わるステファン。
特殊な状況とはいえ、違法捜査が多いのが気になるけど~
スウェーデンという国が文化的にはドイツの影響を濃く受け、ロシアに対しては警戒感があったといった背景もわかります。
旅先で解決する謎も腑に落ちて、満足な読後感。

酷寒の街スヴェーグは「少年のはるかな海」の舞台でもあり、作者が子ども時代に住んだ所だそうです。
作者は20年アフリカで暮らしたんだそうで、帰国後にスウェーデン南端に住み始めてから、そこの警察の話を書き始めたという。
ユニークな経歴にも、ちょっと感心しました。

2009年2月10日 (火)

「少年のはるかな海」

ヘニング・マンケル「少年のはるかな海」偕成社

ミステリで知られる作者の~これは、1990年作の児童文学。
スウェーデンの北部の小さな街。
少年ヨエルは、森で木を伐る仕事をしている父親サムエルと、二人だけで暮らしています。
学校の帰りに買い物をしてジャガイモをふかして、父の帰りを待つ生活。
かって船乗りだった父が元に戻ればいいと思いつつ、一人で想像を巡らす孤独がちで多感な少年でした。

夜中に走っている犬を見かけたことから、一人で家を抜け出すようになり、トラックで走る変わり者のシモンや、鼻のかけたイェルトルドなどと知り合いになります。
新任の判事の息子トゥーレと出会い、秘密クラブの活動と称して、夜中に冒険を始めるのです。
出て行った母を思い、父が酒場に勤めるサラと付き合いだしたことに悩みますが、しだいに…?

不満や寂しさも抱えている男の子の、初めて経験することが、いきいきとした手触りで描かれています。
甘くはないけれど不思議な味わいの、なかなか素敵な作品でした。
作者は1948年ストックホルム生まれ、作家・舞台演出家として活躍とのこと。

2008年8月 8日 (金)

「目くらましの道」

ヘニング・マンケル「目くらましの道」創元推理文庫

前から気になっていたマンケル、初めて読んでみました。
2007年2月翻訳発行。
クルト・ヴァランダー警部を主人公とするスウェーデンの警察シリーズ、5作目にあたります。
事件は1994年の設定。
本国では1995年発表、イギリスで2001年に発行されCWA賞を受賞した作品です。

スウェーデン南端のスコーネ県のさらに南端のイースタ。
元法務大臣が斧で殺され、頭皮の一部がはぎ取られるという事件が起こります。
ついで画商が…連続殺人の様相を呈してきます。
同じ時期に、菜の花畑をさまよっていた少女が焼身自殺を図るという事件も起こり、それも気にかかる警部。

仕事にのめり込む質らしいヴァランダー警部は、難事件の捜査にじりじりと能力を発揮します。
私生活では、老いた父のしだいにおかしくなってきた行動を案じ、いまだ進路の定まらない娘リンダを気遣い、旅行する約束をしてある恋人にもなかなか連絡が取れないまま~日が過ぎていきます。
犯人は比較的早くわかるのですが、綿密な描写で飽きさせない。
哀切な結末。

スウェーデンの警察小説と言えば、マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー夫妻のマルティン・ベック・シリーズが有名です。
1960~70年代が舞台だったので、国情がだいぶ違っているとか。
読んだのがだいぶ前なので、背景など詳しくは思い出せませんが。
マルティン・ベックも夫婦仲は破綻していたけれど、こちらはちゃんと次の恋人が出来たのが現代風?
娘のリンダが意外や警察官になる!という展開になるらしいです。

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