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2018年12月 9日 (日)

「警視の哀歌」

デボラ・クロンビー「警視の哀歌」講談社文庫

警視とタイトルにあるシリーズというか、ジェマとキンケイドのシリーズというか。
長い間、高水準を保っている英国の警察もの。
最近のでは「警視の因縁」「警視の挑戦」に続く作品。

かっては同僚で良き相棒だったジェマ・ジェイムズとダンカン・キンケイド。今は結婚して違う署にいます。 幼い娘のための育児休暇を終えたジェマは新しい赴任先で復帰、今や警部となって部署を率いる身。
やや戸惑いつつも、充実した時間を過ごします。

初老の弁護士がホテルで発見された事件を担当。
容疑はまず、直前に喧嘩した若い男にかかります。
才能あるギタリストの彼アンディは、デビュー目前。
恵まれない育ちで、ギターだけが生きる支えでした。富裕層と庶民層が背中合わせに住む街での出来事に、この作家ならではの柔らかくきめ細かな視線が感じられます。
そんなアンディに惹かれるジェマの部下メロディ。
優秀だが人に気を許さないメロディの、思わぬ恋模様が描かれるのが新鮮。

ジェマにかわって育児休暇を取ったキンケイドは、慣れない育児に奮闘。しだいに要領を覚えていきますが‥
休職中になぜか署内の空気が変わっていくのです。
実は、前作の事件で上層部に波乱を巻き起こしたともいえるキンケイド。
肝心の部分は表沙汰になっていないのですが‥

次巻は、試練のとき?
真面目で優秀で優しくハンサム、だけど良い人過ぎて存在感がないと言われ続けてきたキンケイドです。
本領発揮なるか?!

2018年4月23日 (月)

「警視の挑戦」

デボラ・クロンビー「警視の挑戦」講談社文庫

警視キンケイドとジェマのシリーズも14作目だそう。
毎回細部まで面白くて、大好きなシリーズです。

今回はボート選手の女性の視点で始まるため、新鮮なスタート。
英国では伝統ある人気スポーツらしいですね。
オリンピック出場を目指すボート選手の世界が垣間見えます。

テムズ川で発見されたのは、ロンドン警視庁の女性警部。
警視ダンカン・キンケイドが育児休暇に入る直前、捜査を任されることに。
コーチ、前夫、ボート仲間、川沿いの住人、さらには警察幹部までが関わってきます。

ジェマはかってキンケイドの部下で名コンビでしたが、恋人になって別な署へ。
前作でさんざん動揺した末に、ついに結婚式を挙げたばかり。
連れ子の子どもたちが良い子で、さらにシャーロットという幼い女の子を引き取ったところ。
ジェマの両親はいい顔をしませんが、いつの間にか可愛がり始めるあたり、よかったですね。

キンケイドの部下とジェマの部下に交流があったり。
当初見えた様子と違う展開になったり、重厚な内容を堪能できました。
警視がタイトルについているので見つけやすいけど、原作にはありません。キンケイドは絵に描いたような良い人で、優しくて優秀でハンサム。ジェマほど存在感がないんですけどね~(笑)
今回は珍しく?警視も本気になるシーンも。
いつも読み応えがあり、しかも細やかなので、安心して読めます。
ごく初期のものはあっさりしているけど、長いこと水準が高いまま、はずれのないシリーズです。

2016年3月29日 (火)

「警視の因縁」

デボラ・クロンビー「警視の因縁」講談社文庫

警視のシリーズも13作目だそう。
大のお気に入りのシリーズ、今回も楽しく読みました。

警部補のジェマ・ジェイムズは、かって仕事の名パートナーだった警視のダンカン・キンケイドと同居中。
連れ子同士も仲が良くて、ついに結婚する予定となっています。
ところが、少々マリッジブルー気味?

そんなときに起きた事件は‥
幼いわが子を預けたまま、若い母親が蒸発。
母親というのはテキスタイル・アーティストで、アトリエには美しい作品が残されています。
しかも、妻を捜していた夫マリクまでもが行方不明に。
取り残された幼い女の子シャーロットはとても可愛らしく、ジェマはほうっておけずに自ら預かる算段をしつつ、捜査に取り組みます。
ロンドンのいろいろな町並みや家々、移民が増えてきた状況などが、女性ならではの観察眼で描かれます。

感じのいい女性だけど飾り気はない方のジェマは、伝統的な華やかな結婚式を期待する両親の期待にこたえるのが重荷になってきます。
迷うジェマを見て、結婚をやめる気ではないかと心配になるダンカン。
気さくで人あたりもいいジェマなのに、家族とは微妙な軋轢が消えなかった理由が、今になってわかったような感じです。
家族は期待しすぎで勝手なことを言い、ジェマはそれを振り払えなかったのね。
警視のほうはハンサムで穏やかで頭が良く信頼できるという男性ですが、恵まれすぎたせいか、やや気がつかないところがたまにある。
ここへ来て、気づきましたね。
ダンカン、やったね。がんばれ!(笑)

家族愛や身近な問題を取り入れるコージー的な甘い部分も含めつつ、それだけではない、しっかりした構成。
目端の利いた描写力に感心しつつ、快適に読めます。
この本から読み始めるのはさすがに、常連ふくめ登場人物が多すぎるかなという気もしますが‥
ごく所期の薄い本は読まなくてもいいけど、ここ数作は傑作ぞろいですよ。
次の作品も楽しみです☆

2013年6月16日 (日)

「警視の偽装」

デボラ・クロンビー「警視の偽装」講談社文庫

警視シリーズ12作目。
毎回楽しみなレベルの高さです。
どの作品から読み始めても大丈夫ですよ。

警視ダンカン・キンケイドと、巡査だったジェマ・ジェイムズは、もともと上司と部下の名コンビ。
恋人になった当初は、周囲に二人の仲を隠していました。
ジェマが警部補に昇進してノティング・ヒル署に移動し、今はそれぞれの子連れで同居していますが、いまだに結婚の決意はつかない。

ジェマは友人に頼まれて、オークションに出たブローチの調査を始めます。
年上の友人エリカはユダヤ人で、ブローチは父の形見で行方知れずになっていた品でした。
アンティークのオークションの世界の事情も出てきて、興味深いです。

ところが、ブローチに関係した人たちに、次々に死者が‥?!
ダンカンは、事件の担当になるよう申し出ます。
ジェマは担当ではないのですが、個人的に捜査に参加。エリカが話さなかったことにも気づくことに。
エリカが夫婦でイギリスに渡ってきた1940年代の出来事が、長く暗い影を落とします。
この部分が重厚で、魅力を増しています。もうこれぐらいお手の物という書きっぷり。
第二次大戦中の出来事を絡めた内容は、サラ・パレツキーの「ビター・メモリー」やS.J.ローザンの「シャンハイ・ムーン」に相当する感じでしょうか。

ジェマの母親が倒れて入院したため、ジェマは仕事の大部分を有能な部下のメロディ・タルボット巡査に任せ、自由に出入りする許可を得ます。
このメロディと張り合うような~ダンカンの部下ダグ・カリン巡査部長との関係も今後、面白そう。

頑固な父とジェマはもともと上手くいかないところがあり、互いに心配でぴりぴりしているためにさらに気まずくなってしまう。
しかしこれは、家族のことをもう一度考え直す機会ともなります。
優秀な長女を自慢に思いながら、どこか脅威にも感じてつっかかっていたという、父の本当の気持ちをジェマは病床の母に教えられて‥?

人の話を聞き出すのが上手い親切なジェマは、ダンカンの息子キットとの関係に悩みますが、キットにとっても既に良い母親。
キットがジェマの父の店を一生懸命手伝うシーンも。なんていい子なのー!
複雑に絡み合う多くのことがあった後だけに、いよいよ心を決めるジェマ。
ほのぼのと心温まる~未来の見える結末でした。
2009年のマカヴィティ賞最優秀作品賞を受賞。

2012年7月13日 (金)

「警視の死角」

デボラ・クロンビー「警視の死角」講談社

シリーズ5作目。
恋人同士になった警視ダンカン・キンケイドと、部下の巡査部長ジェマ・ジェイムズ。
もともと仕事仲間として名コンビでお似合いなのですが、同僚であることと離婚経験から~お互いに慎重な面もあります。
ジェマには、幼い子供もいるしね。

キンケイドの方は、一方的に妻に去られて11年。
突然、別れた妻ヴィクから連絡が来ます。
警官としての彼に、相談したいことがあるというのです。
ジェマは内心、面白くないのですが…

大学で研究をしているヴィクは生き生きしていましたが、再婚した夫イアンは出奔中。なんと教え子の女子大生とハワイにいるらしい。
研究対象の詩人リディアの草稿や手紙が、巧みに書かれています。
ちょっとヴァージニア・ウルフを思わせる女性詩人で、もっと若くウルフを崇敬していたという設定。何度も自殺を試みて、ついに死んでしまったという。
なぜか遺産は、ずっと前に離婚した夫に残していました。
その夫モーガンや、若い頃からの友人が大学近くに住んでいるため、ヴィクはインタビューを重ねていきます。
未発見の詩の草稿を見つけ、その内容と前後のいきさつから、自殺ではないのではと疑い始めたのでした。

ダンカンは当時の調査資料を見せて貰い、確かに不審な点もあると感じます。
大学町の美しい風景など、しっとりした描写も多い。
大学仲間の登場人物も、個性的。
知的な女性が、これほど何人も出てくる小説も珍しいでしょう。
そして、それらが吹っ飛ぶほどの大事件。
ヴィクが突然心臓発作でなくなり、毒殺も疑われることに。

そして、遺された11歳の息子キットは、実はダンカンの子供だったのです。
葬儀に訪れたダンカンの母は、一目でそれを見抜きます。
ヴィクの母ユージニアは気むずかしく性格に問題があり、さらにひどくなっている様子。
祖父母に引き取られたキットが、ダンカンは心配でなりません。
案の定、キットは家出してしまい…

ブログを始める前に読んだので、メモがありませんでした。
ここからとても良くなったので、再読してのご紹介です。

著者はテキサス州ダラス生まれ。
イギリスに渡って魅了され、最初の夫と共にイギリス各地に住む。
後に故郷に戻り、家業を手伝いつつ娘を育てながら、1993年から作家活動。
1997年発表のこの作品で、マカヴィティ賞最優秀長編賞を受賞。2009年にも受賞しています。

2011年5月11日 (水)

「警視の覚悟」

デボラ・クロンビー「警視の覚悟」講談社文庫

お~面白かった!
筆が乗ってますねえ。
あれ以上の傑作はなかなか出来ないだろうと思っていたら…
はらはらさせられますが、人の個性の違い、弱さや醜さも覗かせながら、上手いこと着地させていきます。

ロンドンで一緒に暮らす警部補のジェマと、警視のダンカン・キンケイド。
かってはダンカンの部下で名パートナーだったジェマ。今は違う部署ですが、まだ結婚はしないまま同居。
ジェマの連れ子とダンカンの息子と一緒に、クリスマスに初めてダンカンの実家を訪れます。
田舎のクリスマスは雪深いが、教会のある大通りなどは絵のようにとても美しい。

ダンカンに息子がいるとわかってから、初めての訪問。
ダンカンの別れた妻に育てられていた息子のキットは、ダンカンにそっくりの顔立ちです。
良い子なんですが、13歳の思春期で、母をなくし、その前に離婚して去って行った父は実父でないと知るなど、複雑な事情がありました。

ジェマの連れ子トビーは5歳で、無邪気で元気いっぱい。
ジェマは、初めて会うダンカンの両親や妹に受けいられるかどうか?やや不安も抱えていたのですが。
両親は大歓迎してくれます。
ただダンカンの妹のジュリエットは、実は夫と上手くいっていませんでした。
しかも仕事先で、モルタルに埋められていた死体を発見してしまい、クリスマスイブは台無しに…?!
そして、ジュリエットの娘のラリーは、キットと同い年。
美少女だけど反抗期で、何やら秘密もある様子。

田園地帯を走る運河、ボートで暮らす人々、美しい雪景色。
ダンカンの両親の家は、くつろげる雰囲気で快適そう。
犬たちやポニーも出てきて、可愛い。
そしてボート生活をしていた女性との出会い。哀切な人生。
検死医の女性もまた、意外な面を持っていた…
盛りだくさんな内容です。

ダンカンの地元なので、同級生だった警部に非公式に協力して、捜査に参加することになります。
キットは感じやすいのに、またしても試練にあうのが心配になるけど、これだけ周りに思いやってくれる家族がいるのだから~大丈夫!

著者は1993年に、このシリーズの第一作目「警視の休暇」でデビュー。
このときはまだ短い薄い本で、警視は若く、やや作風の印象が違いました。ジェマも出てこなかったんじゃないかしら。
1998年に第五作「警視の死角」がマカヴィティ賞最優秀作品を受賞。
この次の作品で再び、マカヴィティ賞を受賞しているそうです。
マカヴィティ賞はミステリ愛読者の投票によるもので、好感度が高いのはわかる気がします。
アガサ賞だと原則として警察官物は対象外なので、クロンビーがマカヴィティ賞と相性が良いのも納得。

2010年8月22日 (日)

「警視の孤独」

デボラ・クロンビー「警視の孤独」講談社文庫

2010年発行の最新作。
この作品からでも読めます。
スコットランドヤード(ロンドン警視庁)の警視ダンカン・キンケイドと、パートナーのジェマの二人が主人公のミステリです。
ハンサムで知的なダンカンと、明るく人の話を聞き出すのが得意なジェマ。
ジェマが部下だった頃は仕事でも一番の組み合わせでしたが、今はジェマが出世して警部補となり、ノティング・ヒル署へ移っています。

そろそろ次の出世を期待する回りの圧力を感じているダンカン。
サザーク地区の放火現場に死体があり、建物が有名な議員所有のもので騒ぎになりそうなため、出向を命じられます。
サザーク地区は再開発中で、そこも高級マンションに改築中のヴィクトリア朝の館でした。
ところが議員は再開発には反対のはず?
向かいのビルの監視カメラに、議員の娘クロエの姿が…?
彼女は行方が知れません。

一方、若い女性消防士ローズが、放火事件の共通性に気づきます。
消防士の世界がけっこう出てくるのが興味深い。
ジェマは友達(ダンカンの従弟の妻で司祭)に頼まれて、身体の不自由な女性ファニーの同居人エレインが行方不明になった件を調査することに。

ファニーの家は、サザークの放火現場から目と鼻の先。
ダンカンとジェマの捜査が交錯してきます。
同じ頃、少女ハリエットと、その母も行方がわからないと…
その母の勤め先もその近くなのです。
死体に該当するかも知れない女性が3人も出てきます。
しかも、第二、第三の放火が…!?

ダンカンが別れた妻の元から引き取った息子キットは、13歳になる所で、難しい年頃。
素直ないい子なんですが、母に死なれ、育ててくれた父(既に離婚、再婚してカナダへ)ではなくダンカンの方が実父だったらしいという状況。
ジェマの連れ子で5歳のトビーと一緒ではなく一人の部屋が欲しいというのも無理はないので、ジェマはあれこれ選んでやります。

一見明るいジェマも、心の傷を抱えています。
キットとトビーが仲良くて、髪と目の色が同じため実の兄弟に見える外見というのは~縁を感じさせて、一種の救い?
亡き妻の両親がもともとダンカンを悪く思っていて、キットの親権を主張、その審判も迫っています。

仕事が忙しくて、キットに十分つきあえなかったりするダンカンですが…
穏やかでやや優柔不断なダンカンですが、ここへ来て、ある決断を?
ほどほどにスリルと現実味があり、充実した読み応えです。

2007年10月18日 (木)

「警視の週末」

デボラ・クロンビー「警視の週末」講談社文庫

警視シリーズの新作~図書館にリクエストしておいて、ちょうど風邪のひき初めで寝ている時に間に合いました。気分転換になって良かったです。
こういうのがもっとあれば嬉しいのになぁ。このシリーズは買っても良いんだけど~翻訳物はそんなに待たないから時々は図書館で…

前作から数ヶ月たち、警部補のジェマは、親友ヘイゼルに誘われてハイランドの民宿へ2泊3日の旅に出ます。
ウィスキーの本場の美しい土地で、身体と心の傷を癒すはずが、この地に縁の深いヘイゼルの秘密が次第に明らかになり、殺人事件が…!という展開。
ヘイゼルはジェマの頼りになる子育てママ仲間で、穏やかな人柄のカウンセラーでもあり、理想的な家庭を築いているように見えたのが、違う面があったことを知って、いささかショックを受けるジェマなのでした。
ジェマの暖かな人柄はその場をなごませているのでしょうが、設定が特異なので、その印象の方が強烈です。
雪が降ると孤絶する厳しい環境で、100年前に起こった事件との因縁も面白く読めます。この辺の描写は初期作品からは考えられない堂に入った上手さで、化けたなあ!

一方、ジェマの愛する警視ダンカン・キンケイドとは別々な週末。
ダンカンは12歳のキットと4歳のトビーと男同士の絆を深めようと張り切るが、親権を巡る難題が…
キットは可愛いですね~。
ダンカンはまだちょっとだめじゃんなパパだが、トビーはジェマの連れ子だし、12歳のキットは難しい年頃だし、つい先年まで子供が生まれていると知らされてなかった父親だから~無理もないでしょう!?
ジェマとダンカンの2人が一緒に捜査する所がもっとあると~もっと面白いのにね。

2006年1月27日 (金)

「警視の接吻」

デボラ・クロンビー「警視の接吻」講談社文庫

最新作「警視の不信」を先日取り上げましたが、手元にあったこの作品も再読してみました。

美しい女性の死体が人気のない公園で発見され、警視キンケイドと恋人の巡査部長ジェマが休暇返上で捜査に当たることになります。
人目を惹く美女は紅茶の会社を親から継いだ経営者アナベルで、エネルギッシュで有能な、周りをかすませるような存在だったことがわかってきます。
男性の作家ならファム・ファタール的に描きそうですが、女性の視点で、恵まれているなりの苦労や自己実現しようとあがく様子が、共感的に描かれているのが新鮮でした。

次々に登場人物の視点を変えて物語が展開し、数十年前に遡る因縁も次第に明らかになってくるあたり、「警視の不信」と似た構造です。この頃、完全にこうだったのか…
ただ、最初の方がやや複雑すぎて~後半盛り上がってくるところまでが長過ぎるかな?

何組もの男女が登場するので、全体に恋愛要素の強い作品。そういうものが読みたい人にはうってつけ(^^)
肝心の警視は1に仕事、2に息子、3にやっと恋人、という状態なのでジェマの心が揺らぎます。
どっちかというと「警視は接吻しない」という内容~(このタイトルじゃパーネル・ホール?)

読んだのは今月上旬、締め切り前でした(^^;

2005年12月17日 (土)

「警視の不信」

デボラ・クロンビー「警視の不信」講談社文庫(西田佳子・訳)

キンケイド&ジェマのシリーズも8作目。
誰なのかわからない人物の過去の回想も交えながら進む展開で、今までで一番緻密な構成。多彩な人物がくっきりと描き分けられています。

「警視の休暇」「警視の隣人」「警視の秘密」「警視の愛人」「警視の死角」「警視の接吻」「警視の予感」と続いてきました。
最初から読まなくても差し支えありませんが、ハンサムで優しいエリートで離婚に傷ついた警視という~そんなんいるか!?って夢のような?設定が楽しい(^^)
子供を抱えてダメ男と別れたジェマの人柄の良さと現実味が上手くかみ合っている展開で、5冊目辺りから俄然面白いです。

警視ダンカン・キンケイドと部下であるジェマ・ジェイムズは仕事でまずコンビを組み、やがて恋仲となって、今は警部補に昇進したばかりのジェマが妊娠しています。
まだ周囲に公表していない状態で、不安もありつつ、だんだんと深まっていく関係に心温まります。

近所でアンティーク・ディーラーの若い妻が殺され、ノティング・ヒル署勤務のジェマが初めて指揮をすることになります。
似た手口の事件との関連が疑われ、スコットランド・ヤード勤務のキンケイドも参加することに。
ポートベロという有名なマーケット街も近く、そこは移民の集まる地域でもあり、人間関係が複雑に交錯していたのでした。
悲劇的な部分もあるストーリーですが、余韻を残す結末が出色の仕上がりになっています。

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