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おすすめ本

2016年8月13日 (土)

「不思議なキジのサンドウィッチ」

アラン・ブラッドリー「不思議なキジのサンドウィッチ」創元推理文庫

11歳の天才少女探偵フレーヴィアのシリーズも6作目。
大きな山場を迎えます。

天才といっても、探偵法がすごくて何でも見抜いちゃう荒唐無稽な話ってわけではなく、数学や物理に天才的なだけ(だけ?笑)
好奇心旺盛で行動的、学校へも行っていないので時間はたっぷりあるんです。
当時の貴族なら家庭教師がついて学校へは行かないのも珍しくないけど、この一家の場合、家庭教師は次々に惨敗したらしい?

葬儀に村人が集まり、遠い親戚や、さらにはチャーチル首相までやってくるという事態に。
奇跡を起こそうと奮闘するフレーヴィア!
いや、この子らしいけど~いくら早熟な天才でも、そ、そこまでは‥

前作の終わりに爆弾発言があり、この話の大きな設定がここで登場、意味が明らかになります。
フレーヴィアの母親がなぜ子供たちをおいて外国まで行き、チベットで行方不明になったのか。
二人の姉は何故フレーヴィアを目の敵にするのか‥
フレーヴィアの知らない姉たちの疑問や辛さがあったのです。
少しずつ断片をつなぎ合わせるフレーヴィアに、伯母がこれまで言えなかったことを教えてくれます。

ここで完結する予定だったのが、延長されたそう。
寄宿学校へ舞台を移しての活躍を期待してます☆

2015年4月18日 (土)

「春にはすべての謎が解ける」

アラン・ブラッドリー「春にはすべての謎が解ける」創元推理文庫

少女探偵フレーヴィアのシリーズも5作目。
ユーモラスでテンポのいい快作☆
ようやく1年近くたったようです。でもまだ11歳。

化学大好き少女のフレーヴィア・ド・ルースはとくに毒物がお気に入り。
大叔父が残した実験室で、一人実験を重ねています。
頭の回転が早いけど、男女のことはまださっぱりわからない。それでも微妙~に成長してきたような。
貴族のド・ルース家なのですが、家計は火の車。
とうとう伝統ある屋敷を売りに出すことになってしまいます。

二人の姉のうち長姉のフィーリーが教会のオルガン奏者としてデビューすることになり、練習に付き合うフレーヴィア。
おりしも教会では聖タンクレアウスの墓を発掘することになっており、すかさず紛れ込んだフレーヴィアは聖者の遺骨ではないものを見つけてしまう。
行方不明の前のオルガン奏者を‥

遺骨の発掘には反対意見もあったと知り、事情を探りに主教代理のいる村へ向かったフレーヴィアは、母を知っているらしい風変わりな人物に出会います。
フレーヴィアが幼い頃にチベットの山で遭難してしまった母。
母の記憶のないフレーヴィアですが、実はそっくりらしい?

フレーヴィアが猪突猛進してどこにでも、地下墓地でも禁断の部屋でも入り込む勢いに、大笑い! 元気をもらえます。
垣間見える大人の世界には哀しみもあり、フレーヴィアにも母を知らない切なさもありますが。
1938年カナダ生まれで70歳過ぎてデビューした作者とほぼ同じ頃に生まれた設定のフレーヴィア。
孫を可愛がるようなあたたかい視線と共に、幼き日を思わせる古きよき時代の雰囲気も楽しめます。
世界中で人気を博しているそうですよ☆児童書ではないですけど、若い人にもいいと思うので、カテゴリには児童書も足しておきました。

2013年6月24日 (月)

「サンタクロースは雪のなか」

フレーヴィアのシリーズ4作目。
化学実験大好きな11歳の少女が探偵役。

思いっきり季節はずれですが、再読したので。
最初に読んだときは12月だったんだけど~パソコンが壊れていて、アップしそこないました。

村はずれの大きなお屋敷バックショー荘に住む貴族のド・ルース一家。
経済的には困窮していて、今回は映画の撮影に屋敷を貸し出すことに。
雪の日、大所帯の撮影隊が到着、大人のややこしい人間関係を垣間見るフレーヴィア。
大女優フィリス・ワイヴァーンもやってきます。
村の司祭さんの提案で教会への寄付を募るため、フィリスに有名なシーンを演じてもらうことになりました。
催しを見に村人が集まってきますが、吹雪になって帰れなくなり、村人たちも屋敷に泊まることに。
その夜、事件が‥?!

フレーヴィアは三人姉妹の末っ子。
長女のフィーリーは、エリザベス・テイラーにちょっと似ているといわれる17歳。(そういう時代設定なのです)
おしゃれとピアノと男の子以外には興味がない。
次女のダフィは本の虫。地味な印象だったけど、実は朗読を始めると美しく見えるという。
フレーヴィアはいたずら好きでいじめられてもやり返すけれど、二人の姉に嫌われていると内心、悩んでいます。
ふと「なぜそんなに嫌いなの」と口に出して聞いたとき、フィーリーの意外な答えは‥
いつもの面々も少しずつ登場しますが、姉妹の関係が一番進むかな?といっても、何が原因なのかはまだわからないんですが。

サンタクロースの実在を証明しようとするフレーヴィアがかわいいけど、そのやり方が煙突に鳥もちを塗るという、これまたフレーヴィアらしい困った方法。
そんなこともどう事件に絡んでくるやら?~お楽しみ☆
笑って拍手したくなるエンディングです。

2012年7月26日 (木)

「水晶玉は嘘をつく?」

アラン・ブラッドリー「水晶玉は嘘をつく?」創元推理文庫

11歳の女の子フレーヴィアが活躍するミステリ。
シリーズ3作目。

フレーヴィア・ド・ルースは、村から離れた歴史ある館に住む三姉妹の末っ子。
家では、大伯父が遺した化学実験室で、研究に励む早熟な少女です。
自転車のグラディスを駆使して、近辺を走り回る情報通でもあります。

お祭りの日、ジプシーに占って貰っているときに蝋燭を倒してしまい、テントが炎上。
責任を感じて、ジプシーの老婆フェネラの馬車を、館の敷地内に案内します。
ジプシーの馬車の内部は意外にきちんとしていて、心地良く過ごせるようになっていました。
ところが、案内した場所は、何やら因縁がある土地だったらしい。

翌朝、フェネラが頭から血を流して倒れている所を発見、病院に通報。
のちにフェネラの孫の少女ポーセリンがやって来たのを、こんな所にいては危ないと、自分の部屋に連れ帰ります。
化学実験室では、料理も出来るのでした。
孤独がちなフレーヴィアは内心、友達になりたいんですね。その気持ちが切ない。

母を早くなくし、父はそれ以来、趣味の切手蒐集の世界に閉じこもりがち。
家庭教師さえ来なくなった今、家は無法地帯と化しているのです。
17歳の長姉フィーリーは、美容に夢中。13歳の次姉ダフィは、本の虫。
フレーヴィアとは姉たちは何かとやり合っていて、フレーヴィアは時にはショックを受けることも。
フレーヴィアの視点からすると、横暴な姉たちですが…
フレーヴィアがあっさり2行ほどで書いているイタズラや復讐が原因らしいのに苦笑。
はしっこい妹を何とか押さえつけようと、頭を捻ってるのでしょう。

フレーヴィアの聞き込みの過程で、母親が頼んだままになっていた肖像画が登場するのも印象的です。
11歳のまま、殺人事件に3度も遭遇するとはいかがなものかと思わないでもないけど、思春期前の11歳だからの面白さもあるしねえ…
どのへんで、まとめるつもりなのかなあ。

2011年4月14日 (木)

「人形遣いと絞首台」

アラン・ブラッドリー「人形遣いと絞首台」創元推理文庫

「パイは小さな秘密を運ぶ」に続く~シリーズ2作目。
11歳の女の子フレーヴィア・ド・ルースが主人公のミステリです。
もう少し成長していくのかな?と思ったらあまりたっていないのに、また殺人事件に遭遇?
もっとも、ただの11歳ではありません~化学の天才少女といっていいでしょう。

テレビでも有名な人形遣いルパートとその助手の綺麗な女性ニアラが、車の故障で村に滞在することになります。
どこにでも自転車のグラディスで走っていく好奇心の強いフレーヴィアは、何かと手伝いながら、起きていくことを間近で目撃することに。
教会の催しとして行われた人形芝居の舞台で、何と人形の代わりに~人形遣いが落ちて来るという事件が起きるのです。

ド・ルース家は貴族の家柄で、大きなお屋敷に住んでいます。
が、実は他にあまり財産がなく、雇い人も~何でも屋の庭師と通いの家政婦の二人だけ。
父は、どうも妻の死後は現実に背を向けているらしく、趣味の切手集めに夢中。
ピアノを弾く長女フィーリーは、綺麗になることにしか関心がない。
次女のダフィは、本の虫。
二人は末の妹フレーヴィアに優しくないのですが、妹の頭が切れすぎて、やり返すのでヒートアップしている気配も。

父の姉でうるさ型のおばさんが訪問、皆いやがっているのですが~彼女が意外な理解者となり、フレーヴィアに話しかけてくれたことが、いいシーンになっています。
しかし、三姉妹とも学校に行っていないんですねえ。
1950年頃の貴族だから?イギリスだと義務教育はあまりうるさくないのか?ちょっと前までは家庭教師がいたのかな?

母親の記憶がないため、母が産後うつで末っ子を愛していなかったなどと姉たちに持ち出されると~フレーヴィアは不覚にも涙が出てしまう。
それに男女のことはまだ、わかっているようで全然わかっていないといった可愛さも。
元気いっぱいで、面白いです。

作者はカナダ人ですが、祖父母がイギリス人。思い出話を聞いて育ったということです。
ジャンル的には、コージーとは言い切れないけど~コージー系好きな人にも行けると思います。

2011年3月 4日 (金)

「パイは小さな秘密を運ぶ」

アラン・ブラッドリー「パイは小さな秘密を運ぶ」創元推理文庫

11歳の少女が主人公のミステリ。
各賞総なめの好評な作品で、確かにテンポ良く、いろんな要素が入っていて面白いです。

時は1950年、イギリス。
田舎の大きな屋敷に住む少女フレーヴィア・ド・ルースは、三姉妹の末娘。
一人で化学の実験に熱中していました。
先祖に化学に凝った人がいて、立派な実験室があるのです。
母は旅行中に行方不明になった後に亡くなったそうで、顔も覚えていません。
父は、趣味の切手にしか関心を示さない人。
姉のオフィーリアとダフネとはタイプが違い、仲が良いとはいえず、二人に閉じこめられた所から脱出したりしているありさま。

ある日、父が書斎で何者かと口論していたのをのぞき見てしまいます。
庭師兼何でも屋のドガーもそれを見ていました。
ドガーは戦争神経症で時々様子がおかしくなるのですが、フレーヴィアにとっては一番の友達でもあります。
翌朝、フレーヴィアは庭の菜園で、死体を発見。
昨夜のことは警察には言えないまま、一人で事情を調べ始める…

図書館で過去のことを調べに行くと、父の学校時代に、恩師が自殺した事件があったと知ります。
しかも、学生達が自殺に追い込んだという噂が…?
父が逮捕されてしまい、姉たちは泣き崩れるばかり。
自転車で警察署に乗り込み、警部補に頼み込んで、父に話を聞くフレーヴィア。
怪しい人物が泊まっていただろう近くの旅館へも潜り込み、旅館の娘メアリに頼んで部屋を捜索します。

グラディスと名付けている自転車で、思い立ったらすぐにどこへでも行く。
警部補に神出鬼没とまでいわれる~早熟で果敢な少女の大冒険です。

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