「スクープのたまご」
大崎梢「スクープのたまご」文藝春秋
週刊誌に配属された新人の奮闘を描くお仕事小説。
地味な女の子を配したところがみそかな☆
信田日向子は、真面目で大人しい女の子。
老舗の出版社・千石社に奇跡的に入社することが出来て、最初はゆったりめのPR誌の仕事でテンポが合い、満足していました。
ところが、悪名高い週刊誌に突然の移動。
入社前にも、そこだけは嫌だと思っていたところなのに‥
地道な裏取りのために、話を聞けそうな相手に電話を入れたり、一軒一軒たずねていくのが主な仕事。
ほとんどは断られるか、何も知らないと言われてしまう仕事なのです。
ヒロイン同様、週刊誌の記事といえば~辣腕なライターが突撃取材してあざとく書き上げるようなイメージがありますよね。
正社員でない人間の書いたものを丸ごと信用するわけにはいかないと言われてみれば‥それは思わず納得。
悩みながらも少しずつ道を進み、方向性を見出していく日向子がすがすがしい。
子供っぽく見える容姿を生かす機会もあったり。
めったにないことだろうという気もするけれど、時には週刊誌の立場でしかつかめなかった事実を知って報道したり、事件解決にまで関わっていくことにも。
後半はミステリ要素も絡めて、面白く読めました。
週刊誌のイメージがちょっと変わりますね。
でも‥違う面もあるのでは?、という気もしないではないけれど(笑)
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