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2018年7月 7日 (土)

「歌川国芳猫づくし」

風野真知雄「歌川国芳猫づくし」文藝春秋

江戸時代も末期の画家・歌川国芳。
初老の日々を描きつつ、猫好きの画家が猫にまつわる謎を解く連作です。

日本橋で家族と5人の弟子、8匹の猫たちと暮らす歌川国芳。
根っからの江戸っ子で、火事となれば見物に駆けつける。
天保の改革で贅沢が禁止になり、美人画などが発禁になったことに憤慨し、絵に風刺を紛れ込ませて庶民の喝采を浴びる反骨精神の持ち主でした。

「猫飼好五十三疋」という、東海道五十三次に見立てた猫の絵を発表しているほどの猫好き。
行方知れずの猫を心配したり、元気がない猫を評判の良い人間の医者に連れて行ったり。
北斎の後は国芳か広重かと言われていたそうで、広重とは同年。
広重と絵で張り合うのかと思ったら、事件に巻き込まれて推理合戦になり、その後に広重の挑戦を受けて猫好きの証明をすることになったりと、微笑ましいですね。

北斎の娘・応為が北斎亡き後に寄るべのない身になって、ふらりと訪ねてくるというほろ苦い話も、どこかユーモラス。
応為が好きなのでこれが事実としたならちょっと哀しいけど、ひょうひょうとした描き方や北斎を尊敬する画家同士の共感、何気なく行末を考えてあげる心のあたたかさに、読後感はよいものでした。

晩年はペリーが来航した頃とまでは思わず、今の大河ドラマと同じ頃なのねとびっくり。
身近で起きる奇妙な出来事、これがいろいろあるんです!(笑)
それぞれを太っ腹に受け止め、驚きつつも淡々とさばいていく様子が、ざっくばらんな性格と年齢らしい余裕を感じさせて、よかったです。

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