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2018年6月30日 (土)

「彼女のいない飛行機」

ミシェル・ビュッシ「彼女のいない飛行機」集英社文庫

飛行機事故で生き残った女の子は、誰なのか?
思いつめて失踪した彼女を、兄が探し続けます。

1980年12月、飛行機の墜落事故が起きた。
乗客全員が絶望と思われたが、たった一人生後3ヶ月の赤ちゃんが生き残り、奇跡の子と呼ばれる。
ところが、この飛行機には月齢も特徴もほぼ同じ赤ちゃんが二人、乗っていたのだ‥
両親とともに写真すら失われ、どちらの一家もトルコから引き上げてきたので他に証拠もないという。

富豪と庶民という全く違うタイプの2つの家族が、どちらの子供なのか、裁判をして争うことに。
その結果、赤ちゃんのリリーは庶民の家にひきとられ、兄のマルクとともに育ちます。
お金持ち一家の祖母は諦めきれず、リリーのための資金を提供し、一方では私立探偵に身元を突き止める調査をリリーが18歳になるまで続けるように依頼します。

そして、18年後。
私立探偵が自殺を考えるような状況だったのが、初めてある事実に気づいて、思いとどまることに。えっ、それは何故?
リリーをひたすら愛する兄のマルクは、妹の行方を追って、探偵グラン=デュックの手記を手に入れます。
富豪一家の姉マルヴィナもまた、妹を諦めきれず、事件に絡んできます。

美しく優秀なリリーは、出来過ぎのようですが、これが意外と実在感があり、若さがはちきれるよう。
何といっても純情なマルクが一途で初々しく、二人を応援したくなるので、心地よく読めました。
偏屈というかトラウマで歪んでしまったマルヴィナも、ある意味では一途?

「その女アレックス」のピエール・ルメートルと同時代作家とわかる感じで、ルメートルほど強烈じゃないので、読みやすくて売れているのかも。
ほとばしる感情の流れを描くのに疾走感があり、フランス人はこういうところが文化的に上手なんじゃないかと感じますね。
最後のプレゼントにほろっとしました。
読後感は良かったです。

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