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2018年6月 2日 (土)

「まるまるの毬」

西條奈加「まるまるの毬」講談社

お江戸の小さな和菓子屋さんの話です。
全国各地の菓子を作って出すという変わった店で、すぐに売り切れてしまうという。

麹町にある「南星屋」は人気の店。
主人の治兵衛が諸国を修行して歩いて覚えた菓子を2つ3つだけ選んで作るため、珍しい菓子が食べられるのです 。
この治兵衛、もとは武家の次男という出身だが、子供の頃からの菓子好きがこうじて、この道を選びました。
裏通ちの小さな店を親子3代でやっています。

娘のお永は出戻り、菓子に関しては驚異的な記憶力があります。
孫のお君は、花嫁修業中の元気な看板娘。
ちょくちょく訪ねてくる和菓子好きの高僧は、治兵衛の弟。
献上の品を巡って大名との縁ができたり、問題が起きたり。
お君が心通わせた相手と、まとまりそうになったのですが‥

次々に出てくるお菓子がどれも美味しそうで、季節感を大事にしていること、当時の工夫や楽しみにしている様子、微笑ましくも羨ましい限り。
武家の息子が菓子屋になれる、跡取りでなければある程度の融通がきくところもあったのですね。
旅といっても難しい時代に、各地を回るほどの熱意があればこそ、かもしれませんが。

治兵衛には実は出生の秘密があり、これが後々まで思わぬ不自由さにつながる、そういった時代の厳しさもあります。
ほろ苦いものもありましたが、家族が思いやり支え合う、ほのぼのした読後感に和みました。

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