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2017年12月 2日 (土)

「つまをめとらば」

青山文平「つまをめとらば」文藝春秋

平成27年(2015年)下半期第154回直木賞受賞作。
なめらかな文章で時代小説にしてはとても読みやすく、さわやかな印象。
下級の武士たちの様々な生き方が取り上げられているのが面白い。
女性との関わりが重要な物語ですが、「女は怖い」という話ばかりかと思ったら、そうでもないのが良かったです。

『ひともうらやむ』
本家の男は、才色兼備と評判の美女・世津を妻にする。
分家の男は見合いで地味な結婚をして、無事に暮らしていましたが‥
本家では緊迫した事態に。
美男美女なら幸福になれるわけではないという。
武家でなければ、こんな立場にはならずに済むのに。

『つゆかせぎ』
旗本の家侍をしている男は、武家奉公に上がっていた芝居茶屋の娘・朋を妻にします。
俳諧の才で夫は出世すると見込まれたらしいが‥?
妻のほうが才覚を発揮して、どんどん綺麗になっていくたくましさ。

『乳付』
望まれて旗本の妻になった民江。夫は優しいが家格の違いが気になっていました。
初産で乳が出なかったため、遠縁の女性が乳付けにやってくる。自分よりも家柄に馴染んでいるようにみえる美しい彼女に嫉妬する妻。
可愛らしい女性で、夫にも家族にもちゃんと認められているとわかります。

『ひと夏』
飛び地となっている難しい土地へ派遣された武士。
百姓から無視されてしまう事情があるのだが、剣の腕を発揮する機会が訪れます。

『逢対』
若年寄の元へ毎朝通う武士たち。
無役の侍が出仕を願い出る場なんて、あったんですね。
自ら通いつめて仕事探しとは、当時もキビシイご時世だった。
持っていた刀を理由に仕官できそうになった男が選んだ道は‥

『つまをめとらば』
老いた男二人が何となく一緒に暮すようになった話。
それぞれかっては結婚もしたが今は独り身の幼馴染。
同じ敷地に住むことになり、案外居心地がいいと思っていましたが、因縁ある女性が現れ‥?
とぼけた味わい。

武士といっても下級だと、収入は少なく、身分違いの結婚もしばしば。
運(女運?)と己の決心次第で、身分も人生も違ってしまうんですね。
サラリーマンに通じるような哀感と、江戸時代ならではの具体的な状況が興味深く、面白く読めました☆

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