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2016年1月12日 (火)

「夜の写本師」

乾石智子「夜の写本師」東京創元社

前々から気になっていた作家さんの初読み。
すでに何作も発表して審査員になっているような方ですが、これがデビュー作。
日本のハイ・ファンタジーここにあり、という鮮烈な印象。

異世界を舞台に、主人公はカリュドウという少年。
右手に月石、左手に黒曜石、口の中に真珠をもって生まれて来ました。
平凡な村人の両親は驚き畏れ、村の魔道師の女性エイリャに預けます。
小さな村ですが、何年生きているか知れない大魔道師アンジストが支配する都市エズキウムが近くにあります。

老いたエイリャに可愛がられ、跡継ぎとみなされて育つカリュドウ。
ある日、アンジストが現れ、エイリャとカリュドウの幼馴染の女の子フィンの命をあっさり奪って去っていく。
カリュドウは逃げ延び、山を超えてパドゥキアへ。
村の魔道師ガエルクの弟子となりましたが‥心中深く復讐を誓うカリュドウですが、それは容易なことではない。
魔道師となるとアンジストの目を逃れるのは難しく、さらにある事件で破門されてしまうことにも。
写本師の修行を勧められたカリュドウはやがて、「夜の写本師」を目指すことに。
魔道師とは別な道を行く、という面白さ。

魔力の強い女性からその力を奪ってきた大魔道師アンジスト。
彼にも長い因縁があることを知ります。

綾なす言葉のイメージが美しく、精緻に組み立てられた世界観が硬質な印象。
それぞれの世界での修行の仕方がいきいきと描かれていて、興味が尽きません。
(もっと書き込むことも出来そうだけど、そうすると付いて来る人が減る?)先を知りたくなって、どんどん読み進む状態に。
文章も世界観もタニス・リーを思わせるレベルのハイ・ファンタジーで、大きな動きによる悲劇もありますが、救いのある結末。

会話は現代的でわかりやすく、心情も現実とかけ離れてはいません。
本が貴重品で印刷もない時代設定で、言葉や内容はもちろんのこと、紙や装丁なども大事にする感覚というのも、本好きには嬉しいところ。

これから買うなら文庫かと思いますけど~
この表紙の絵がすばらしくて捨てがたいですよ☆

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