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2013年3月21日 (木)

「薔薇の殺意」

ルース・レンデル「薔薇の殺意」角川文庫

手持ちの本の再読。3度目ぐらいかな。

ルース・レンデルの記念すべきデビュー作です。
ウェクスフォード警部シリーズ1作目。

キングズマーカムは、ロンドンまで1時間ほどの田舎町。
警察署の建物はモダンで新しく、まわりからやや浮いています。
部下のバーデン警部がキングズマーカムに赴任してきて、半年ほどの時期。
ウェクスフォード主任警部のことは、バーデンの目を通して描かれます。
ウェクスフォードは52歳で、外見はテレビなどの警察首脳役のイメージそのものとバーデンが評しています。

バーデンの近所に住むパースンズが、妻が帰宅しないと相談してきました。
質素に暮らしている平凡な主婦マーガレット・パースンズ。
夫婦の住む古い家には、冷蔵庫も洗濯機もないという。(貧しさもあるけど、それ以上に時代かなあ?!)
つつましい妻に限って、勝手に夜遊びに出ることなどないと訴える夫。
後に、牧草地で絞殺されているのが発見されます。

ゆっくりした捜査のテンポ。
地域もあり、時代もあるんでしょうねえ。
現場近くに落ちていた手がかりが、口紅とマッチというのも、古典的。
「北極の黒貂」というユニークな名前の口紅を売っていた店を探して回るバーデン。

口紅を買ったのは、金持ちの妻で派手なヘレン・ミサル。
妻のわざとらしい言い訳に、夫は顔色を変えます。
ミサル家には、弁護士のクォドラント夫妻が、ちょうど客で来ていたのだが。
やり手で嫌みなクォドラント弁護士とは、警部らは顔見知り。

パースンズ夫人の古い持ち物には、家に似つかわしくない高価な文学書と、「ミナへ」という宛名の熱のこもった長い手紙の束がありました。
地味で平凡な女性に、こんな熱烈な思いを寄せた恋人があったのだろうか…?
夫人の過去を探っていくウェクスフォードら。
ウェクスフォード警部らしい慧眼を、バーデンも読者と共に知っていくことに。

シンプルで読みやすい方だと思います。
デビュー作にしては非常に安定したタッチで、細かい部分にさすがの鋭さがありますね。

1950年代の話などが出てくるので、そんなに古いのかとびっくりして、発表年を確かめました。
1964年の作品。
作者は1930年生まれ。ということは今、81歳?
現在も作家活動中。
ウェクスフォード警部シリーズは、昨年までで23作。

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