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2013年2月16日 (土)

「この声が届く先」

SJ・ローザン「この声が届く先」創元推理文庫

10作目になるシリーズ最新作。
中国系の小柄な女性リディア・チンと、大柄な白人ビル・スミスのコンビの探偵で、視点が作品ごとに交代します。
リディア視点の回は、中国系社会の特殊性を生かした物語が多く、ビルの視点の回は、普通の私立探偵物に近くなるけど、リディアの存在と協力がぴりっと効いている。
8作目、9作目がそれぞれの最高傑作だったので、次はどうなるか??と思っていました。

リディアが誘拐されたというショックな事件。
しかも、ビルに怨みを持つ犯人は、ビルにゲームを仕掛けてくるのです。
ゲームに勝てば解放するが、負ければ命はないと。
声を変えている犯人が誰かはわからず、もちろん警察に通報することも出来ません。
誘拐犯の陰謀で、ヒントをたどって行動したビルは、中国系の女性の死体を発見し、殺人事件の容疑者になってしまいます。
リディアを救うためには警察に説明している時間はなく、警察に追われる身になりながら、リディアの居場所を探し続けることに。

リディアの親戚の若者ライナスと、そのガールフレンドのトレラが登場して、新鮮な展開に。
ライナスはコンピュータの天才で、若くして起業しているのです。
怖いもの知らずの二人が、深刻になりがちなビルを助けて、大活躍。
行動的なトレラはイタリア系で、従兄を引き連れて車を飛ばし、アクションシーンまで。

リディア自身も、生きていることを確認するための短い通話の中で、犯人にはわからないように、ヒントを出し続けます。
リディアの言うことなら、すぐにピンと来るビル。
この信頼関係が何とも、いいんですよねえ。

殺された女性は売春婦で、その元締めと用心棒もビルを追ってきます。
ビルの行く先々で、女性が殺されるように仕組んでいた誘拐犯。
ビルはどう切り抜けるのか…?

誘拐犯が誰なのか、やっと思い当たったビルの反省も。
向こうは犯罪者には違いないのだが…
若くていい気になっていた頃のことで、すっかり忘れていたのです。
悩みすぎるビルを励ましてくれる~気のいいライナス君でした。
(スヌーピーじゃなくてノーベル賞学者からとった名前だそう)

軽快なテンポで、事件も深刻になりすぎない。
やっと見つけたときに~「遅い」と怒っているリディアも、お約束?
とても面白く読めました。
2010年の作品。

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