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2012年9月23日 (日)

「悪の華にくちづけを」

ロレッタ・チェイス「悪の華にくちづけを」二見文庫ザ・ミステリ・コレクション

人気の高いロマンス小説を読んでみました。
ヒストリカル・ロマンスが好きなら、ぜひ。

1793年にデイン侯爵は病で妻子を失い、翌年、イタリア人貴族の娘と結婚して周囲を驚かせました。
年若い花嫁は美しかったのですが、イギリスの暮らしになじめず、ついに駆け落ちしてしまいます。
残された幼い男の子セバスチャンは、父親に似ない自分を醜いと感じて育ちました。パブリック・スクールでもいじめられますが…?
この導入部はやや暗いですが~後の展開はきびきびしていて、じつに楽しいです。

1828年3月のパリ。
ジェシカ・トレントは、27歳。
準男爵の長女というレディですが、両親を早く亡くし、弟のバーティと従弟たちに囲まれて、世話をしながら育ちました。
絹のような黒髪の美人ですがそのことをあまり意識せず、結婚も望んでいない。骨董品やアクセサリーなどの店を出したいと考えていました。
祖母のジュネヴィーヴはいまだに美しく、自由なタイプ。共にパリに来てすぐに魔性の女ぶりを発揮して人気を集めています。

ジェシカがパリに来たのは、弟のバーティが評判の悪いデイン侯爵に憧れて、身を持ち崩しそうになっていると聞いたから。
デイン侯爵ほどの財産もないのに、同じような放蕩ぶりらしいのです。
悪の親玉のように考えていたデインは、大柄で色黒でがっちりしていますが、思いの外ハンサム。
しかし、デインは女性不信で、娼婦としか付き合わない男でした。
ジェシカとデインは互いに反発しながらも、惹かれていきます。

ジェシカの評判を傷つけたデインを、ジェシカは銃で撃ってしまう。
ピストルの腕前は、従弟達の誰よりも上という女性なのです。
デインの悪友達の思惑や、かって付き合った娼婦との間に生まれた子供など、様々な要素が絡んできます。
ジェシカは気丈で理知的で、やや世間知らずではありますが、あたたかい心を秘め、子どもの扱いも巧み。
デインが誘惑するというよりも、いつの間にか誘惑されているのが面白い。
弟のバーティがばかなのは、この姉にショックを与えられてきたからだと突如デインが悟ったり。

描写が全体にわたって適度に細やかで、ロマンスもツボを押さえつつ、通り一遍でないところがいいですね。
ユニークな状況もわかりやすい。
1996年度ロマンス小説のRITA賞で、ベスト・ショート・ヒストリカル部門を受賞。
ロマンス小説の「オールタイム・ベスト100」の人気投票で、3回連続1位をとったこともあるので、金字塔といわれています。

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