フォト

おすすめ本

« 黒い単衣のバービー | トップページ | バービー二人で »

2012年9月25日 (火)

「転迷」

今野敏「転迷―隠蔽捜査4」新潮社

好調の警察物。
頑固一徹な警察署長の活躍を描くシリーズ。4作目。

竜崎伸也は、もとは中央である警察庁にいたエリートでしが、左遷される形で警視庁大森署の署長に。
(警視庁とは簡単にいうと~東京都の警察ということ)
今回は、ひき逃げ事故や放火といった案件に対応していきます。
本庁交通課からは、ひき逃げ事件の捜査に、大森署の強行犯係を出すように要請されます。
放火事件だけで手が足りないのに。
しかも事件が絡み合って、国際的な大問題に。
まずは、いつどこに捜査本部を置くか、人員をどう配備するかといった駆け引きが描かれます。

警察署長とは、エリートが赴任してきて、3年ほどで移動することが多いので、実はお飾りともいえる対外的な役割と、大量の書類に毎日判を押し続けるのが重要な仕事。
いぜんは若いキャリア組が、実務を経験するために着任するものだったので、若殿研修といわれていたほど。今はそこまで極端ではないらしいですが。
副署長のほうが、捜査の実務には関わることになるそう。

ところが竜崎の場合は、公務員だから国のために尽くすという明快な意図があり、メンツにも派閥にもこだわらない。
(警察官は、警視正より上は国家公務員なのだそう)
署長の仕事は、こまごま陣頭指揮を執ることではないと心得ているのだが、本来じっとしていられる性格ではありません。
目的のためには真っ直ぐな行動を取るために、結果的に非常に有能なのでした。

「麻取り」こと地方厚生局の麻薬取締官の矢島から電話が入り、麻薬の捜査のために泳がせていたのに、下っ端を逮捕したためにダメになったと恫喝されます。
頭ごなしに呼びつけられますが、行く必要はないと断る竜崎。
事前に何の相談もなかったのだから、邪魔をしたと非難される謂われはないと筋を通します。
驚く部下達でしたが。
同じ案件を、縦割りで別々に捜査するのが間違い、と思う竜崎。

小学校の同級生だった伊丹俊太郎が、今は刑事部長という要職にあり、これは一介の警察署長よりはずっと格が上の役職。
竜崎の力を認めていて、何かと協力を求めてくるのですが、正反対の性格なので、もともと気が合うわけではないんですね。
刑事部長に対等な口を利く竜崎に、部下ががく然とするのもおかしい。
「子どもじゃないんだから一人で行けるだろう」とかね。
年齢も同じだし、実は警視長という階級も同じ。

竜崎の娘の美紀は、恋人が外国に行っていて、飛行機事故にあったかも知れないと心配します。
コネを使って事情を調べてくれと頼まれ、竜崎は普段あまりやらないことをやらざるをえなくなったり。
それに絡んで、外務省の人間と、外国の犯罪につながる情報のやりとりをするよう伊丹に依頼され、関係が出来ていくのでしたが。
家庭での不器用な父親ぶりも微笑ましい。
時々、50じゃなくて80歳みたいだけどね?
2011年9月発行。

« 黒い単衣のバービー | トップページ | バービー二人で »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「転迷」:

« 黒い単衣のバービー | トップページ | バービー二人で »

2019年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

カテゴリー

最近のトラックバック

無料ブログはココログ