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2012年8月13日 (月)

「悲しみにさよなら」

ナンシー・ピカード「悲しみにさよなら」ハヤカワ・ミステリ文庫

ジェニー・ケインのシリーズ6作目。
評価の高い作品です。

舞台はニューイングランドの静かな港町。
ジェニー・ケインは、故郷のポートフレデリックに戻り、市民財団の所長をつとめて7年目。
どんな活動に資金援助をするかというジェニーの判断は大胆で、保守的な層には物議を醸すこともありました。

長く入院したままだった母が亡くなり、その葬儀の時に何者かに「あれは事故だった」とささやきかけられます。
母が入院したのはジェニーが学生で家を離れていた時期で、家代々の会社ケイン・クラムズが倒産するという騒ぎも起き、ジェニーには詳しい事情がわからず終いでした。
今になって、どういう事だったのか気になってたまらなくなります。
母の親友、主治医、神父、新聞社…
聞いて回ると、皆が隠し事をしているようで、少しずつわかってきたことの意味は…

ジェニーは金髪の理知的な美人で30代末、警部補のジェフとは結婚して3年、まだラブラブ。
本人にはほとんど欠点がないけれど、過去の倒産や母の長年の病気という事情を抱えていて、どこか暗い思いもありました。
世間体を気にする妹のシェリーとは気が合わず、度々非難されます。
事件に関わり合う姉をみっともないというのです。
ついに、とっくみあいの大喧嘩に。

3代目の社長だった父は、ハンサムでおっとりしていますが、何も考えていないタイプで、入院中の母を見捨てて離婚。
20歳も年下の受付の女性ランディと再婚して、既に20年がたっていました。

ジェニーは財団の仕事に身が入らなくなり、長期休暇を申し出るとそれは出来ない規定になっているといわれ、衝動的に辞職。
その後、酔って自宅のガレージに閉じこめられて一酸化炭素中毒に。
自殺と噂が広まり、評判が落ちてしまいます。
警察では温情から事故にしておくという態度で、捜査もされない。
殺人未遂と睨む夫のジェフは、やむなく一人で事情を調べることに。

倒産に至った事情や、信頼していた人々が隠していたことを次々に知るジェニー。
優しく美しかった母に降りかかった謂われのない非難。
母が病んだ最初のきっかけは、育児ノイローゼだったという…
哀しい事実を知った後で、母が望んでいたことにたどり着くジェニー。感動的です。

91年の作品。94年翻訳発行。
アガサ賞マカビティ賞の最優秀長編賞をダブル受賞。
アガサ賞を獲っただけあって女性向きですが、力作。
このシリーズ、この作品の前のがあまり面白くなかったので、そこで読むのをやめてしまったような気がします。
惜しいことをしてたのね。

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