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2012年8月 9日 (木)

「ブラックランズ」

ベリンダ・バウアー「ブラックランズ」小学館文庫

イギリスの新鋭のミステリ。
けなげな少年が頑張ります。

毎日のように、荒野に行っては掘り続ける12歳の少年スティ-ヴン。
母の弟が殺されたことから暗くなった家庭を救いたいと願って。

19年前に母レティの弟ビリーが11歳で行方不明となり、祖母は心を閉ざしました。
レティは弟と一緒に母も失ったようなもので、今もピリピリした所があります。
1年後に連続児童殺人犯が逮捕されたが、ビリーの遺体は見つからなかったのです。
せめて叔父の遺体が発見されれば、祖母や母の気持ちに区切りがつくのではないかとスティ-ヴンは望みを託していました。

イングランド南西部のシップコット村。
スティーヴンが、叔父の死んだ事情を知ったのは3年前。
友達のルイスが教えてくれて、エクスムーアを掘ることを思いついたのです。ヒースやハリエニシダが茂る広大なムーアを掘ることにルイスがすぐ飽きた後も、スティ-ヴンは事件のことを調べ続けます。
(ブラックランズというのはムーアの一部の名前)

無邪気な5歳の弟デイヴィー。
デイヴィーの方を可愛がりがちな母。
幼なじみだが横暴な所のある友達ルイス。
学校でのいじめっ子達。
目立たないスティーヴンの作文をほめてくれた先生。
時々現れる母のBFのなかで、一番好きだったジュードおじさん。
日常的な描写も過不足なく、一方では刑務所や地元の悪などのとんでもない現実も。

スティ-ヴンは、収監されている犯人に手紙を書くことを思いつきます。
埋めてある場所を教えて貰おうとしたのでした。
書くのも難しく、内容によってはすぐ刑務所から送り返され、なかなか届かない手紙。
長い刑期を勤めている犯人アーノルド・エイヴリーは、頭文字だけの短い手紙に興味を覚えます。
模範囚としての出獄をめざしていたエイヴリーですが、実は全然反省していない。
差出人が少年だということに気づき、事態は危険な方向へ…

事件によって3代に渡って破綻した家庭。
一途な思いで動いた少年の心は、通じるか?
スリリングな展開で、読み応えがあります。
ようやく解決に向かうときに、本当に嬉しくなります。

作者はイングランドと南アフリカで育ち、脚本家となる。
小説はこれが最初。上手いです!
2010年1月発表。2010年10月翻訳発行。
CWA(英国推理作家教会)賞ゴールド・ダガーにノミネートと書かれていますが、その後受賞したようです。
展開の皮肉な部分が~いかにもイギリス的かも。

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