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2012年7月13日 (金)

「警視の死角」

デボラ・クロンビー「警視の死角」講談社

シリーズ5作目。
恋人同士になった警視ダンカン・キンケイドと、部下の巡査部長ジェマ・ジェイムズ。
もともと仕事仲間として名コンビでお似合いなのですが、同僚であることと離婚経験から~お互いに慎重な面もあります。
ジェマには、幼い子供もいるしね。

キンケイドの方は、一方的に妻に去られて11年。
突然、別れた妻ヴィクから連絡が来ます。
警官としての彼に、相談したいことがあるというのです。
ジェマは内心、面白くないのですが…

大学で研究をしているヴィクは生き生きしていましたが、再婚した夫イアンは出奔中。なんと教え子の女子大生とハワイにいるらしい。
研究対象の詩人リディアの草稿や手紙が、巧みに書かれています。
ちょっとヴァージニア・ウルフを思わせる女性詩人で、もっと若くウルフを崇敬していたという設定。何度も自殺を試みて、ついに死んでしまったという。
なぜか遺産は、ずっと前に離婚した夫に残していました。
その夫モーガンや、若い頃からの友人が大学近くに住んでいるため、ヴィクはインタビューを重ねていきます。
未発見の詩の草稿を見つけ、その内容と前後のいきさつから、自殺ではないのではと疑い始めたのでした。

ダンカンは当時の調査資料を見せて貰い、確かに不審な点もあると感じます。
大学町の美しい風景など、しっとりした描写も多い。
大学仲間の登場人物も、個性的。
知的な女性が、これほど何人も出てくる小説も珍しいでしょう。
そして、それらが吹っ飛ぶほどの大事件。
ヴィクが突然心臓発作でなくなり、毒殺も疑われることに。

そして、遺された11歳の息子キットは、実はダンカンの子供だったのです。
葬儀に訪れたダンカンの母は、一目でそれを見抜きます。
ヴィクの母ユージニアは気むずかしく性格に問題があり、さらにひどくなっている様子。
祖父母に引き取られたキットが、ダンカンは心配でなりません。
案の定、キットは家出してしまい…

ブログを始める前に読んだので、メモがありませんでした。
ここからとても良くなったので、再読してのご紹介です。

著者はテキサス州ダラス生まれ。
イギリスに渡って魅了され、最初の夫と共にイギリス各地に住む。
後に故郷に戻り、家業を手伝いつつ娘を育てながら、1993年から作家活動。
1997年発表のこの作品で、マカヴィティ賞最優秀長編賞を受賞。2009年にも受賞しています。

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