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2012年3月23日 (金)

「将軍の料理番」

小早川涼「将軍の料理番―庖丁人侍事件帖」学研M文庫

文化3年(1820)十一代将軍家斉の世。
江戸城の料理人・鮎川惣介は、丸顔で人がよい。
夫婦になって十五年、二人の子供がいる妻とは他愛もない夫婦げんかをする日々。

惣介は、天性の鋭い嗅覚を持っていました。
四十人いる料理番の一人だったのですが、将軍・家斉に気に入られ、直で会うことが出来る稀な立場になります。
「台所人に身をやつしたお庭番」などと嫉妬混じりに囁かれますが…

あたたかいお汁や、煎り立ての黒豆、その場で淹れる宇治の青茶など。
お毒味の後の冷め切った料理ばかりではさぞつまらないでしょうから、こっそり、こんな差し入れが貰えたとしたら楽しかったでしょうね。
当時、将軍はあまり評判の良くなかったような。
しかも、家斉は、跡継ぎの息子と上手くいっていないんですね。
跡継ぎは「西の丸様」と呼ばれています。
老中になろうという野心を抱く水野が、27歳という時期。

大奥で小袖の盗難事件が起きます。
難事件かと思われたのに意外に早く白状した娘があって、里に帰されることになりました。
江戸城を出た父娘の跡を付けたが見失い、後に父娘とも遺体で発見されます。心中とされましたが、疑いを持つ惣介と隼人。

幼なじみの親友・片桐隼人は、御広敷の添番という~近い役職にある御家人仲間。
長身で美形で引き締まった身体、腕が立つという憎らしいような男。
名コンビを組んで、事件に関わっていきます。

曲亭馬琴が登場、時には相談役ともなります。当てになるとは限らないけど。
馬琴の仕事もしている北斎を慕う安藤広重が、安藤重右衛門ともいい、定火消同心で、町火消しの役もしていたとは。
広重がまたのんびりした人柄で微笑ましい。
江戸では火事騒ぎが続き、付け火が上様のやったことという流言まで。
自首して出たのは、う組の火消しの息子で、腕の良い櫛職人の竜吉。はたして?

京都から来た謎の人物・桜井雪之丞も加わり…
跡継ぎ・家慶の正室が、京都出身なのですね。
展開の予想が出来ないので、新鮮でした。
惣介の人の良さが、救いになっています。

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