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2011年10月 7日 (金)

「五番目の女」

ヘニング・マンケル「五番目の女」創元推理文庫

スウェーデンの警察物。
クルト・ヴァランダーが主人公の人気シリーズ、6作目。
スウェーデン南端のイースタは小さな町ですが、交通の要衝に当たっているために犯罪は少なくないのです。

ヴァランダーは、父とローマ旅行に行って帰ってきたところ。
父は気むずかしく、痴呆が時折出てもいたのであまり上手くいっていなかったのですが、旅行先では楽しく過ごすことが出来ました。
父は長年ほとんど同じ絵を描き続けてきた画家で、イタリアに行くのは生涯の夢だったらしい。
その旅行に同行できた幸せを感じるヴァランダー。

帰国後、妙な事件が相次ぎます。
元自動車販売会社経営の老人エリクソンが行方不明になり、様子を見に行ったヴァランダーは、エリクソンが敷地内の壕に落ちて串刺しになっているのを発見。
周到に用意された犯罪の残酷さに、一斉捜査にかかったメンバーは青ざめます。
花屋の老人ルーンフェルトが、海外旅行に行くはずが行っていないという事件も。
孤独がちで無害そうな彼らに、何が…

犯人の側からの描写も入るので、大体犯人像はわかっているのですが、詳細はむろんわからない。
前半は、恐るべき犯人が警察の前に立ちはだかるという印象。
連続殺人であっても、サイコパスというわけではない、知性と狂気を併せ持つ犯人。意志が強く計画的。
後半、犯人に迫っていく様子がスリリングに描かれます。

父の死、その前後の家族の気持ちや、やりとりも。
娘のリンダは独り立ちしていて、なかなか連絡もくれない。
ヴァランダーは恋人のバイバと結婚を考えているのですが、両親の離婚を見ていた娘には、結婚に向いていない人間なのにと批判されてしまいます。
バイバになかなか連絡ができず、結婚したい気持ちになっているにしては、仕事優先過ぎ?おいおい、どっちなのよっていう。

治安の悪化を憂えて市民自警団を作る動きが活発化し、それも警察には頭の痛い問題となります。
マーティンソン刑事の娘が学校でいじめに遭い、父親が刑事だからという理由だったために、真面目なマーティンソンは辞職を考えるほど。
引き留められるのはあなただけと言われるヴァランダー。
事情聴取に際して、ヴァランダーの人柄が生きてきます。
情熱的で、のめり込みタイプなんですね。

シリーズ1作目では、妻に出て行かれて破綻していましたが、少し落ちついたかな。
1996年発表のシリーズ6作目、2010年8月翻訳発行。

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