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2011年5月24日 (火)

「子供の眼」

リチャード・ノース・パタースン「子供の眼」新潮文庫

パタースンは、お気に入り作家の一人です。
てっきりご紹介してあると思っていたら、ブログを始める前に読んだのか~ご紹介してなかったので。
読み応えのあるシリーズの中の1冊。

辣腕弁護士クリストファ・パジェットがなかなか、いいんですよ~。
いい父親って描きにくいのか?珍しいでしょう。
彼もちょっと変則的な設定ではありますが。
人間らしくカッコイイ中年男性。
が、人生最大の危機に…?!

今回は、夫とはまだ別居中だった恋人テリーザ(愛称テリ)が、ついに離婚を決意します。
テリの夫リッチーは働こうとせず、これからも妻の収入をあてにしていたので、断固交戦の構えに。
愛想が良く人を操るのが上手い性格で、幼い娘エリナの親権裁判は、夫に有利に進みそうになります。

クリストファの15歳の息子カーロに汚名を着せ、クリストファを新聞種にしてまで、事態を動かそうとするリッチー。
クリストファには来年、上院議員に立候補を求める話が持ち上がっていたため、スキャンダルには格好の標的でした。
テリを混乱から引き離すために、旅行に誘うクリストファ。
ところが、リッチーが突然、殺されてしまいます。

さて、何が起こったのか?
どのように窮地を抜け出すのか?!
陪審員を決める過程も、丁寧に描写されます。
裁判を描くのは上手い作者のこと、緊迫したやりとりが巧みに描かれていきます。

テリは母を殴る父を見て育ち、母のようにはなるまいと経済的に自立はしたけれど、家族を精神的に虐待する夫に引っかかってしまっていたのでした。
クリストファもまた、愛に満ちた家庭では育っていません。
息子のカーロもクリストファは当初その存在を知らず、幼い頃には祖父母に預けられていて、愛情をかけられていなかった。
カーロにとっては、父と出会ってからの生活こそが、幸福。
そんな彼らにふりかかる試練に、どう立ち向かうか…

二転三転する事実…
真相はどこに?!
法廷劇の面白さと、それにとどまらない展開。
クリストファが逮捕され、弁護に立ったのはキャロライン・マスターズ。
クリストファ自らは証言台に立とうとしなかった理由とは?
何か隠していると、家族にも疑惑が芽生えるのですが…
裁判が終わってもなお続く家族の葛藤。
重い読後感だけど、明るい希望も見えて、たっぷりと読み応えありました。

著者は1947年、バークレー生まれ。
弁護士として活躍しながら、1979年、作家デビュー。
「罪の段階」の大ヒットで専業作家に。
これは、その次の作品。
「本の雑誌」のオールタイムベストで推薦されていました。

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