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2011年5月 6日 (金)

「消えた少年たち」

オースン・スコット・カード「消えた少年たち」早川書房

本の雑誌で推薦されていました。
確かに~常ならぬ力のこもった作品ですね。
引っ越してきた一家に、次々に難題が降りかかります。

父親のステップが転職し、フレッチャー一家はノースカロライナのストゥベンに越してきました。
ステップは、ハッカー・スナックというパズルゲームをヒットさせたことのある才能あるプログラマ。
これまでは、自宅での仕事と、歴史の博士号を取る研究という自由な立場でやって来たのです。
今度の会社ではマニュアルを書くだけが仕事と言い渡され、驚き苛立ちますが、当面は仕方がない。直属の上司はいやみな男でしたが、実はプログラムに関しては無能らしい?

妻のディアンヌは主婦で、心の温かい母親ですが、3人の子供を抱えて、さらに妊娠中、めまぐるしく過ごしています。
二男のロビーは、無邪気だけど、やんちゃな盛り。
まだ赤ちゃんのベッツィは、はいはいをする手がかかる盛り。

8歳の長男のスティーヴィは、大人しくて頭がいい。
学校で友達が出来ないらしく、引っ越したのが気に入らないのではと両親は気にはなっているのでしたが…
スティーヴィが裏庭で友達と遊んでいると言い出したのが、姿の見えない空想の友達なので、胸を痛めることに。

モルモン教徒の一家という特殊性もあり、今度の教会での役割や人間関係も大きな問題に。
ここにも嫌な女性がいて、ディアンヌはへこまされますが、親切な隣人にも恵まれます。そして…?

夫、妻、三人の子供…そして新しく生まれてきた赤ちゃん。
家族それぞれが直面する問題には、ありがちなことだけでなく~日常に潜む悪と狂気が見え隠れします。
家族同士が愛し合っていても起こる~葛藤や誤解もあり。
細かい描写の積み重ねには、作者の実生活を一部反映したリアリティがあります。

人はいかにして問題に立ち向かうべきか?
勇気を持って大きな問題にも取り組み、素晴らしい作品と言ってもいい。
かなり重い内容だけど、充実しています。
こんな風に解決していけるんだね!という部分と。
他にどうすれば良かったんだろうね…という部分と。
8歳のスティーヴィのけなげさには涙。
推理を楽しむ作品ではないですが、事件のモチーフにはミステリ的な要素もあるので、カテゴリーにミステリも入れました。

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