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2011年4月18日 (月)

「ディロン―運命の犬」

井上こみち「ディロン―運命の犬」幻冬舎

NHKでドラマ化もされて有名な実在の犬、ディロンの話です。
著者は、動物ノンフィクションを多く手がける作家。
飼い主の太田恵理さんが書いたのではないので、やや距離がある筆致ですが、わかりやすく。

ディロンは犬のイベント施設で、日本に連れて来たオーストラリア人の訓練士ポールに躾けられていましたが、ポールが怪我でやむなく帰国。
英語しか通じないために施設では粗相が続いてもてあまされ、叱られてばかりで、別な犬のように脅えてしまっていたのです。
そういう期間があったためか、不思議と人の心がわかるようになります。

飼い主の太田さんは1994年にディロンに出会い、数ヶ月での変わりように驚いてポールに電話して直談判し、引き取って世話をして弱っていた身体を治します。
さらにオーストラリアまで飛んで、正式に譲り受けました。
既に3頭の犬を飼い始めていた新築の大きな家で。
大型犬を飼いたいという夢を実現させたのですね。

最初は、留守番が長いと~あたりの物をボロボロに咬んでしまうディロンでした。
不安そうなので叱らずになだめてやると、以来イタズラは止まり、ずっと後をついて回るようになったのです。
他の犬とは馴染みにくいのですが、意外に新しい人と会うのは平気になっていきます。

動物をふれあわせる運動AAA(アニマル・アシステッド・アクティビティ)に参加して、ディロンはとても向いていることがわかります。
欧米では、AAT(アニマル・アシステッド・セラピー)という段階まで進んでいました。
優良家庭犬の認定試験という物もあり、共に試験を受けて合格します。
こういうのって案外、人間の方が難しかったりするそうですね。まあディロンが優秀だからこそですが。

老人ホームやリハビリ中の人を訪ねたときに、犬を嫌っているそぶりの人にディロンが自分から近づき、心を溶かすエピソードは感動的。
この優しい目に見つめられたら…

保健所に持ち込まれて、翌日には処分される犬の多さには、胸が痛みます。
日本では子犬からしか買おうとしない人が多いけれど、実は成犬は意外に飼いやすい面もあるそうです。
引き取り手を探す運動を展開した太田さん達。
500頭も命を救ったとは!

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