フォト

おすすめ本

« 「エデン」 | トップページ | あやのさんのご対面 »

2011年2月19日 (土)

「欲望通りにすむ女」

ドミニク・シルヴァン「欲望通りにすむ女」小学館文庫

ちょっと珍しいフランスのミステリ。
女性二人がたまたまコンビを組むことになります。
作者が日本通で、今も日本で暮らしているというのも~最近のフランスの日本人気を物語る?

ローラ・ジョストは、1年前に早期退職した元警視。
海外に一人息子と孫娘がいますが、今はのんびり一人暮らしをしています。
堅物で地味な外見なので、太った中年女と侮られることもあるのですが、かなりの女傑。ジャンヌ・モローのタイプと評する人も。
近所で殺人が起こり、かっての部下バルテルミー警部補がいそいそと注進に来ます。
パリ右岸に位置する下町の10区。
ローラが辞めてしまった後の上司が無能なつかえない男で、部下達はやる気も起きずに困っていたのでした。

欲望(デジール)という名前の通りに住んでいる、金髪の娘ヴァネッサが殺されたのです。
孤児受け入れセンターで奉仕的な仕事をしているという地味な暮らしだったのですが。
交互に、銀行強盗を行う怪しげな側の人間の視点でのシーンも盛り込まれ、スリリングな展開に。

アパルトマンにヴァネッサと同居していた他の娘、カディジャとクローエの二人が勤めているレストラン<ベル>のオーナー、マクシムが疑われます。
気の強いカディジャは、年上のマクシムと交際中なのですが。
じつは、カディジャの弟ファリッドは、かなりいかれた若者。

アメリカから来ているマッサージ師のイングリッド・ディーゼルが、ローラに調査を依頼します。
こちらは、短い金髪に筋肉質の長身で、ロシア系。
日本でシアツを学んだときに入れ墨を入れているという~ぶっ飛びよう。
いかにも現代的でクールに見えるが実は純情~マクシムに片思いなのです。
ローラとは対照的な~ポップな部屋や服装が楽しい。

マクシムのレストランをひいきにしているローラも、イングリッドを従えて動き出します。
ローラが退職したのは、信頼していた若い部下の思わぬ死から。
一人では仕事をする気になれなかったのです…
イングリッドとは気が合わないように見えましたが、だんだん名コンビになってゆく。
しだいに復活するローラに、バルテルミーは大喜び。

カルト的な女性漫画家リンコが10年前に殺された事件も、何か関わりが…?
「オタクが社会を拒絶するとしても、社会の方はオタクを忘れずに彼らがほしがる物を売り込み、消費させるのが日本の事情だ」と~マクシムが言っています。
移民の多いフランスの状況も盛り込まれ、鮮やかな筋運び。
勢いが感じられました。

ローラと名乗っているが本名はマリー・テレーズで、ローラというよりマリー・テレーズのタイプ、とあるのが日本人にはニュアンスがわからないですね。
ローラの方が女っぽいとか、現代的とか? …マリー・テレーズが大人しいというのはないと思うけど

« 「エデン」 | トップページ | あやのさんのご対面 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「欲望通りにすむ女」:

« 「エデン」 | トップページ | あやのさんのご対面 »

2019年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

カテゴリー

最近のトラックバック

無料ブログはココログ