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2011年2月 6日 (日)

「愛おしい骨」

キャロル・オコンネル「愛おしい骨」創元推理文庫

マロリーのシリーズではない新作。
読み応えあります。
「クリスマスに少女は還る」に続く系統でしょうか。
文章はスタイリッシュで、登場人物が非常に個性的な所はマロリーのシリーズにも通じます。

ある日、森に行った兄弟…15歳の弟ジョシュは帰らず、17歳の兄オーレンだけが帰ってきました。
町中総出で探したけれど、ジョシュは見つからないまま…
オーレンは遠くの学校へ行かされ、そのまま軍に入って帰りませんでした。元判事の父に追放されたと感じていたのです。

20年後、故郷に戻った兄オーレン。
家政婦のハンナに呼び戻されたためでした。
オーレンは相変わらずスター性のあるハンサムで、人生を誤ったと思うハンナ。
母亡き後に兄弟を育ててくれた家政婦ハンナは、小柄で素性のわからぬ謎めいた女性。彼女が傑物なのです~。
オーレンを呼び戻した本当の理由は、ジョシュのものらしい骨が、少しずつ玄関先に届けられるという奇怪なことが起きていたためでした。
家は20年前のまま、弟の部屋は服や靴の位置さえ変わらず、犬は剥製にされているほど。

大金持ちの娘イザベルと街ですれ違ったオーレンは蹴りを入れられます。今は鳥類学者になっているイザベル。
11、2歳の頃、恋心がお互いにあるのは周りにも一目瞭然だったのですが、実際には口をきいたこともないままでした。
意地っ張りな幼い恋。
イザベルは昔、嘘のアリバイを証言しようとしていたことを知るオーレン。
年上の女性イヴリンの証言で、オーレンのアリバイは成立していたのですが。

何か隠している保安官。
図書館に住みこんで動かない巨大な女性は、町の怪物と恐れられています。かって夫を殺していたのです…
というように、何とも個性豊かな町の人々は枚挙にいとまがありません。

自己顕示欲の旺盛な弁護士アディソンはイザベルの義父。何か起こるたびに弁護に駆けつけるのですが、派手なやり方で嫌われています。
その妻がイザベルの母セアラで、すごい美女でしたが~今は重度のアルコール中毒。
お城のような豪邸に住みながら、虜囚の姫君のよう。
年に一度だけ、セアラの誕生日記念に舞踏会が催されるのが、町の大きな行事になっていました。

町で一人だけ招待されたことのない嫌われ者のゴシップライターのモンティ。彼は、美少年だった弟のストーカーだった?
写真で小遣い稼ぎをしていた弟は、15で既に才能を開花させていました。街のあちこちに貼られている弟が撮った写真。
そして、今も行われている降霊会…

町の人々の秘密が次第に明らかになっていきます。
父が調査を依頼した元警官のスワンをオーレンは訪ねます。
捜査官としての経験を積んだオーレン・ホッブズは、自らも疑いを掛けられながら、今度こそ真相にたどり着けるか…?
快感のこもったリズミカルな文体で、重い内容を描き分ける手練れっぷり。
きらきらと目くらましにあったような豪華なクライマックス。
複雑な味わいが残りました。

このミステリーがすごい!で海外の1位になっています。

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