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2011年1月23日 (日)

「夜行観覧車」

湊かなえ「夜行観覧車」双葉社

これまでよりは、ほんの少し後味がいい? 
視点が変わり、それぞれの本音から次第に真相がわかってくるのは、お馴染みの形式です。

高級住宅地ひばりヶ丘に住む3つの家族。
主婦の遠藤真弓は、憧れの住宅地に住むことが出来ましたが、一人娘の彩花がおかしくなってしまいました。
真弓が勧めた近くの進学校受験に失敗して、知っている子のいない滑り止めの中学に通う羽目になった彩花は学校になじめなかったのです。
家では爆発して、わめくようになっていました。
なすすべもなく、逃げ腰の父親・啓介。

ある日、向かいの家で、大きな声と物音が。
問題がなかったように見えた高橋家の父親が殺され、品のいい母親が容疑者となります。
しかし、次男・慎司は行方不明。
その夜、実は真弓がコンビニで慎司に出会っていました。
私立K中学のバスケ部の人気者で、ちょっとアイドルの俊介に似ている慎司に、彩花はひそかに憧れを抱いていたのですが…

一家の長男は関西にいて、すぐには事件も知らずにいました。
親が再婚したので母とは血が繋がっていないのですが、分け隔て無く育ててくれたと思っています。
長女の比奈子は、事件の関係者として何となく遠巻きにされてしまい、親友からもメールが来なくなったことに悩みます。
比奈子は、母親に弟ほど期待されていないことを感じていました。

お隣のお節介おばさん・さと子は、常に近所の動向を見張っています。
ただ嫌な脇役かと思うと、そうでもないんですね。これが。
小さなこだわりや胸に秘めた寂しさ、見栄や迷い…
ちょっと意地悪く~細かく書き込まれていて、説得力があります。
そういったものが募って、時には爆発することも。

誰しも、とんでもない部分も持っている!
思いこんでしまうこともあるけど、話し合えば意外にわかることもある。
善意の芽が救いとなり、軌道修正する可能性はあるという展開に。
なかなか読み応えがありました。

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