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2010年9月13日 (月)

「怖い絵」

中野京子「怖い絵」朝日出版社

面白い絵を取り上げ、独特な切り口で解説してきます。
歴史の厚みが興味深い。

ドガの「エトワール」、ティントレットの「受胎告知」、ムンクの「思春期」、クノップフの「見捨てられた街」、ブロンツィーノ「愛の寓意」、ホルバイン「ヘンリー8世像」、ルドン「キュクロプス」、ラ・トゥール「いかさま師」、ジェリコー「メデュース号の筏」など。

確かに、メデュース号の遭難を描いた筏の絵は怖いよね…
当時は衝撃的な事件だったので、告発的な意味が強かったんでしょう。

ドガの絵は、綺麗なバレリーナを柔らかい色調で描いてありますよね。
でも当時のバレリーナの実態、貧しい少女達にパトロンがつくというあたりが怖いそう。
それを画家本人が気にしていないのも怖いと書いてあるけど、告発的な作品で悪評被ってたこともあるので、そうでもなかったのでは。

ムンクの作品は、いかにも思春期の少女らしく、爆発しそうな不安定さを感じさせて、痛々しさもあるけどいい絵だと思います。
ムンク本人は、早く母を失ったのを皮切りに次々に家族を失っていく哀しい人生でだったんですねえ。
45歳で自ら精神病院に入院、以後は絵を描いていないのだけど。
展覧会のパンフで知っていたはずだけど、忘れてました。

表紙になっているラ・トゥールのは、ユーモラスにも見える詐欺師の絵。
本人が、そこまで破綻していたとは知りませんでした。

女性画家アルテミジアの描いたユーディトはリアルで、確かに怖いです。
ユーディトはよく描かれているけど、若い娘が敵将の首を取る話で、スゴイ題材ですよね。
アルテミジアは伝記映画があって、いぜんに面白く見ました。恩師と恋仲になったら実は妻がいたために、裁判沙汰になって大スキャンダルになってしまうんですね。

ヘンリー8世の肖像は、アン処刑後、次の王妃が妊娠中の時期だとか。
う~ん、迫力があります。
その王妃が待望の王子を産み落として死んだ後、次の王妃になるべき女性の肖像画もホルバインが描いたのですが、絵ほど美貌でないのでヘンリーが激怒して離婚。
仲介した寵臣クロムウェルは死刑に。
画家も震え上がったことでしょう。

そんなに怖くないのもあるけど、いやはや~なのも?
画家の人生もまた数奇で怖かったり…
面白かったです。

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