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2010年5月 1日 (土)

「拮抗」

ディック・フランシス、フェリックス・フランシス「拮抗」早川書房

大好きな作家・フランシスの新作です。
惜しくも亡くなってしまわれましたが…
これは息子のフェリックスと共著という名義になって「祝宴」「審判」に続く3作目。内容的には「再起」から4作目なのかな。
フェリックスのみの新作に引き継がれるのでしょうか。

主人公ネッド・タルボットは、ブックメーカーという競馬の賭け屋。
祖父から受け継いだ仕事で、アスコットにもいい売り場を占めています。
個人営業ですが、アシスタントのルカが有能で、コンピュータの扱いはほとんど任せるようになっていました。

賭け率が日本とは違うんですよね。
どんどん変動するので、いぜんは芸術といわれたやりとりも、現在はコンピュータでかなりの部分が制御され、大損はしないようになっているという。
ところが、出走直前に5分間ネットがダウン。
最初は、偶然の事故と思われるが…?

ネッドに両親はなく、祖父母に育てられましたが、ある日売り場に現れた男が父だと名乗ります。
しかも、その夕暮れ、何者かに襲われて目の前で刺されてしまう。
交通事故で死んだと聞かされていた自分の親は、どういう人間だったのか?
1歳の自分を捨てたとは。父は母の死に関係していた?
しだいに明らかになる真実。そして、ネッドの身に迫る脅迫…?!

一方、ネッドの家庭は…
愛し合って結婚した妻ソフィは、10年も躁鬱病で入退院を繰り返しているのでした。
今は、5ヶ月の入院中。
妻の両親には、賭け屋という職業のために強く結婚を反対され、結婚後も悪く言われ続けているのが、発病の要因らしいのです。
両親以外の家族とは仲良くしているソフィなのですが、味方になってくれている妹も、親には逆らいきれない。
家族とは何か、ちょっと考えさせられます。

人生を揺るがす大事件に、忍耐強い主人公がやがて孤独な戦いを挑み、中盤の暗さを一掃!
フランシスらしい要素を揃えてあります。嫌われ者の賭け屋の実情も面白い。
やや説明部分が多くなっていて、面白く引き込まれそうな所をもっと強く書いたほうが傑作になったのでは。
エピローグもあり、結末の読後感は、なかなかいいですよ~。

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