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2009年11月14日 (土)

「日本の女帝の物語」

橋本治「日本の女帝の物語 あまりにも現代的な古代の六人の女帝達」集英社新書

奈良時代は女性の天皇の時代だった…
それは中継ぎという言葉にはそぐわない、実力のある女帝の時代。

平安時代のことを小説に書くために調べ物をしていて、だんだん遡り、古事記や日本書紀を独自に読み込んだ作者。
数年前に、女性の天皇があってもいいのかという論議がされていた時期があって、今はもうすっかり沈静化しているけれども、女帝が地位についていた時代のことを皆知らなすぎる~と思ったそうです。

若すぎる男子は天皇にはふさわしくないという理由で天皇になれないとしばしば言及があるのに、一人前の女性なら何の問題もない様子だったこと。
天皇というのは、そういう立場だったのですね。
女性が他の行政官の長などになっていた例は全くないので、女性差別がなかったわけではないのです。

皇族であること、天皇の娘であることが、一番大事で、強力な条件だった。
そして、どういうなりゆきであれ一端なった後には権力がついてきて、それは退位してもなお、かなりの権威を持つ。
その結果、色々な波乱も起きてくるわけです。

持統天皇は誰よりも強力で、いわば会社を夫と共にたたき上げた中小企業の社長夫人といった調子で、わかりやすい。
ただし、本人は自分がどうしても天皇になりたいとこだわっていたわけでもないし、女性の権利といったことなど考えていなかったのではないか…と言われると、そんな気もします。
自分の血を分けた息子に、天皇位を譲りたいだけだったのですよね。

個性豊かな女性達、それぞれの即位のなりゆき、本人の態度や治世の違いが軽やかに述べられています。
いきいきとした個性を読み解かれると、確かに現代と意外に変わらない印象もありますね。
血で血を洗う皇位争いの時代なので、あまりにも現代的!といっていいのかどうか?わかりませんが~面白く読めました。

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