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2009年11月26日 (木)

「殺人者の顔」

ヘニング・マンケル「殺人者の顔」創元推理文庫

警部クルト・ヴァランダーのシリーズ、1作目を読んでみました。
1990年代のスウェーデンを代表する警察小説シリーズで、世界的なヒット作の始まりです。

クルトが住むイースタは小さな田舎町ですが、スウェーデン南端で港があり、国境に近い特殊な位置にあります。
雪の降る1月、村はずれの農家でひっそり暮らしていた老夫婦が惨殺されてしまいました。一体、なぜ?
「外国の」という一言を残したため、移民問題で揺れる町でさらに事件が…

主人公のクルトは、刑事としては有能なのですが、妻に出て行かれて3ヶ月、8㎏も太ってしまったところ。
最愛の娘は15の頃に自殺を図ったことがあり、今は少しは落ち着いたようにも見えるけれども、どこにいるのかなかなか連絡も取れない。
そして、老いた父親がボケはじめ…

もろもろの悩みを抱えたクルトは、美人検事の赴任に驚きつつ喜びますが、言い寄ってみては思い切りはねつけられる始末。
多難な中年男の暮らしが、どこかユーモアも交えてリアルに描写されています。
後の話題作に比べると書き込みは少なめで、1冊でコンパクトにまとまっていますが、要素はすべて出そろっているんですね。
1991年の作品。2001年翻訳発行。

ヘニング・マンケルはストックホルム生まれ。
裁判官の父が赴任した田舎(このシリーズの舞台に近い)で成長し、後にアフリカで劇場に携わり、ノルウェーに住んだ経験も。
北欧のミステリに与えられる「ガラスの鍵」賞を、この作品で最初に受賞。
後に「目くらましの道」でCWA賞ゴールドダガーを受賞したシリーズの一作目です。

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