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2009年11月21日 (土)

「鷺と雪」

北村薫「鷺と雪」文藝春秋

最近の直木賞受賞作。
直木賞候補に6回もなった上にやっと…
「街の灯」「玻璃の天」に続く三部作の完結編。
「街の灯」は2008年4月にアップしてありました。

舞台は、昭和初期の東京。
女子学習院に通う社長令嬢で、利発な花村英子が主人公です。
戦前ですから~身分が高いお嬢様が一人歩きなどはしない時代のこと。
一人で活動したがる英子のために、物わかりのいい父親が運転手兼ボディガードを雇ってくれたのです。
女性を選ぶというのが斬新だったのですね。その女性・別宮みつ子は父親の知り合いの娘さんでした。
すぐに好感を抱いた英子は、ベッキーさんとあだ名をつけます。彼女は知的で身体もきいて、すごく頼りになる~姉のような存在。
二人コンビの探偵役で、活躍します。

ベッキーというのは、本好きな英子がたまたま読んでいたサッカレーの「虚栄の市」のヒロインで、下層階級の出だが美貌で頭の良い野心的な女性。
夢中になって読んでいたとはいえ、ちょっと失礼なような気もしないではないですね。
英子も途中で気がついて赤面するのが微笑ましいところです。

もともと若い女性の視点で描くことが多い北村さん。
違和感ないので、私は最初女性かと思っていましたよ。
プロフィールや写真を当初は秘密にしていたんだったかしら。

財閥といえども、いわば成り上がり。
華族のお嬢様方もいる女学校の中では特別な存在ではなく、気取りのない英子さん。
身分に絡むような、ちょっとした事件がありながらも、まっすぐな少女時代の罪のないひとときを描いたものですが~
歴史の荒波が次第にひたひたと迫ってくる気配が、この最終巻ではあります。
それが不幸の予感だけではない、清冽な雰囲気もたたえているのがいいですね。

ちなみに直木賞候補になったのは「スキップ」「ターン」「語り女たち」「ひとがた流し」「玻璃の天」…
「ひとがた流し」でとれば良かったんじゃないかしら。
「語り女たち」だけ読んでないので、読もうかな~。

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