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2009年7月16日 (木)

「黒と赤の潮流」

福田和代「黒と赤の潮流」早川書房

阪神大震災後、半年という時期を舞台に、密売が絡む~船乗りの冒険物。
主人公はヨットの好きな大学生・間嶋祐一。
かっては、オリンピック出場を期待されていた超高校級スプリンターでした。
膝の怪我で選手としては再起不能になり、なんとなく時を過ごしていたのです。

大学入学後にタイ人の友人タオやドゥアン達とばかをやったり、モーターボートで海へ出るのが楽しみだったのですが…
阪神大震災で両親と伯父一家を亡くし、呆然と半年が過ぎました。
行方の知れなかった友人・ドゥアンが1月17日に死んでいたとわかり、それも殺されていたという。にわかにきな臭い事情があらわれてきます。

一方、外国帰りの日本人探偵・古賀は、かっては刑事でした。
20年前、密告により大立て者の陳を捕らえようと、金持ちの友人・高見の運転するクルーザーで大阪湾の受け渡し地点へ出たのですが、事故で高見は重傷を負い、半身付随に。
高見の婚約者は理由ははっきりしないまま彼と別れて国を出て、古賀は放ってはおけずにそれを追い、駆け落ちしたとも噂されました。

それぞれに事実の一部しか知らない男達。
友人の死んだわけを探る祐一は、しだいに生気を取り戻していきます。
孤独な高見もまた、所有する「あけぼの丸」で因縁の片を付けようと…?

心に暗いものを抱えた男同士の友情や葛藤が描かれています。
なかなか美形揃いだったりして、ちょっと先行作品を思い起こさせて~にやにや。
緊密さや重厚さでは勝ってはいないかも知れませんが、意外な展開を手際よくわかりやすく描写している点では劣っていないと思います。

著者は1967年神戸生まれ。神戸大学工学部卒。
2007年「ヴィズ・ゼロ」でデビュー。

まったく偶然なのですが~「ブラック・リスト」の次に読んだのがこの「黒と赤…」で、9.11後半年という設定と、大震災後半年という設定に、なにやら不思議なものを感じました。

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