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2009年6月 9日 (火)

「さゆり」

アーサー・ゴールデン「さゆり」文藝春秋

アメリカ人男性の描いた~芸者が主人公の小説。
チャン・ツイィー主演でハリウッド映画にもなりました。

昭和9年に舞妓となり、波乱の運命をたどる芸妓・さゆりが貫いた一筋の真心。
漁師町の貧しい少女・千代が、何もわからずに祇園の屋形(置屋のこと)へ売られていき、同じ置屋の売れっ子の初桃らにいじめられながら下働きをする生活は鮮烈です。
初桃とはライバルに当たる豆葉というトップの芸妓に姉芸者になって貰えたことで、次第に芽が出始めますが…
岩村電器の会長に、幼い頃泣いていたときに慰められたことが、ずっと忘れられないでいるのでした。

岩村電器の社長の延に見初められ、蟹の院長に水揚げされ、戦争直前の折りから少将を旦那としながらも…
祇園も戦争ですっかり様変わり。
後にはアメリカに渡ることになります。このへんは映画では割愛されていました。

作者はニューヨーク・タイムズのオーナーという裕福な家系に生まれ、子どもの頃から日本人の知り合いがいたということです。
なるほど…それにしても雰囲気が実感こもってますねえ。宮尾登美子かなんか読んでるみたいです。
日本語に更に訳すというのも、また大変だったことでしょう。
翻訳業のおかげでこちらは自然に読めて、まるで芸者だった日本人女性が自伝を書いたような印象を受けますが…
相当取材もしているようですが、そのままの人生を送ったモデルなどはいないのですね。

さゆりという名の芸者はないだろうと抵抗感がありましたが、英語国で発音しやすい名前にしたそうです。
映画だと~ちょっと変な着付けのキッチュな衣装で、派手派手しく描かれていますが、原作は至って真面目なタッチで書かれています。
1997年の作品、1999年翻訳発行。

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