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2009年2月 6日 (金)

「ウォリス家の殺人」

D.M.ディヴァイン「ウォリス家の殺人」創元推理文庫

1981年の作品。2008年8月発行。
「このミス」で連続して上位に入ったので、読んでみました。
日本では知られていなかったディヴァイン。イギリスの本格ミステリを楽しめます。
「悪魔はすぐそこに」に続いての翻訳。

物語の舞台は1962年。
歴史学者のモーリス・スレイターは、幼なじみで作家になっているジョフリー・ウォリスの邸宅に招待されます。
妻のジュリアとも旧知の仲、そこの娘の美しいアンと、モーリスの息子クリスは婚約中。もっとも、ジュリアはこの婚約に反対しています。
その理由というのが、ウォリス家は大金持ちで、社会的地位に違いがあるかららしい…

ところが訪ねてみると、ジョフリーは急に老け込んだように見え、家庭は冷え切った様子でした。
長くスコットランドで暮らしていたジョフリーの兄のコンラッドが、村に滞在していました。なぜか、弟を脅迫しているらしいという…?
そして、事件が…!

主人公のモーリスは、兄弟同様に育ったジョフリーの優秀さの陰になりがちで、きつい性格のジョフリーとは離れた時期もあったんですね。
息子のクリスとも疎遠でしたが、それというのも、離婚した妻が息子に父の悪口を吹き込んで育てたから。
ややこしい人間関係をどう解きほぐしていくのか?という話でもあります。

辛口の描写で、主人公がいい人なのかどうか判然としないのですが、まあ学者にはありがちなぐらいの普通の人で、周りが強烈すぎる!ということのよう。
往年の大邸宅ものミステリという感じですが。
もし、主人公が実はすごくいい人だったら~ディック・フランシスみたいな話にもなるかも。
1962年が舞台というのは、本格ミステリへのオマージュ的な面もある作品でしょうね。
ミステリが好きで読む物がなくて困っている~という人にはお勧めです。

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