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2008年10月 8日 (水)

「オイディプス症候群」

笠井潔「オイディプス症候群」光文社

2002年単行本発行、2006年新書版。
矢吹駆シリーズの5作目だそうです。

パリ大学の女学生ナディア・モガールが語り手。(というのはいつもなのかどうか?知りませんが~)
事の起こりは1970年代の末、ザイールでエボラ熱に似た奇病が発生、若き免疫学者フランソワが現地へ飛びます。
パリでナディアは旧友フランソワに再会しますが、彼は奇病にかかって既に重篤な状態で、恩師マドックにレポートを手渡すことを頼まれます。
矢吹は、この病気の流行の裏に何かあるとにらんでいるらしい。
ナディアと矢吹はギリシャへ飛び、ダイダロス館という孤島の館へ。

牛の頭のような形の島に建てられていたのは、クレタの王宮を模した建物。
持ち主アリグザンダーは血液製剤の会社を経営する富豪で、妻はその土地出身の女優でした。
集まったメンバーは政治家や哲学者、古代ミノア文明研究家、スウェーデンの女医など謎めいた組み合わせ。
ナディア達とは別な目的で呼び集められたらしいのです。
中庭のミノタウロスを思わせる牛首の巨像に突き刺さるように落ちた死体が…
島に閉じこめられたメンバーは、次々に命を狙われる?

シリーズ前作発行からは10年たっていますが、小説世界ではまだ最初から2年ぐらい?らしい。
フランス人の女性の視点で書いてあるというのが何となく不思議。
文章は崩れがなく至ってわかりやすいけれど、内容はややこしい。ヒロインが現象論を専攻しているせいもあり、事件より哲学問答も含むところが…
(母と子の関係が一義的だからといって、恋愛が必要ないような結論に何故なるかっていう…)
理屈っぽく凝りまくった本格ミステリでした。
20世紀精神の遍歴史を描き尽くそうという意図があるそう。

作者は1948年東京都生まれ。
1979年、矢吹駆シリーズの1作目「バイバイ、エンジェル」でデビュー。
2003年には、この作品と「探偵小説論序説」が第3回本格ミステリ大賞の小説部門と評論部門のダブル受賞しています。

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