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2008年10月 4日 (土)

「少女七竈と七人の可愛そうな大人」

桜庭一樹「少女七竈と七人の可愛そうな大人」角川書店

2006年6月発行。
その頃だったのか?新聞に大きな広告が出たのを見た覚えがあります。
内容の見当がつかなくて、好奇心はそそられたけど、すぐには手が出なかったな…
読んでみたら~かなり少女漫画風味で、そこに大人のリアリティも加味してあるので、いたって読みやすい。

旭川で祖父と暮らす少女・川村七竈。
際だった容姿は小さな町では異形のように目立ちすぎて、かえって損をすることも多く、本人は嬉しくないのでした。
幼なじみの少年・雪風は、子どもの頃からよく七竈の家にやってきます。
彼の方は子だくさんな一家で、職にも就かず頼りにならない父親と暮らし、忙しい母親にうるさく言われて家事を手伝う毎日だったから、七竈の家は気楽だったのです。
共通の趣味である鉄道模型でひっそり遊んでいるのですが、たがいに顔が似てくるようなのが、しだいに不安を募らせていく…

プロローグで「辻斬りのように男と寝たい」と、ある日思い立った当時25歳の優奈が、七竈の母親。
平凡な容姿の大人しい女性だったのだが。
誰の子かわからない七竈を祖父に預け、七竈が少し大きくなった後は家をあけがちになりました。
大人にもそれぞれ愛憎があり、身動きがとれない事情があるのはリアル。
視点は数人に交代で描かれ、中でも、老犬の視点というのがなかなか鋭くて面白い。
さらりとした描写を連ねていく構成で、どことなしに繊細で少女っぽい~つやつやと奇妙に魅力的な小説。

GOSICの作者が、こういう作品を書くようになったとは。通じるところはありますけどね。
「赤朽葉家の伝説」のほうはもっと線が太くて、一段と読み応えのある大人の小説で、変身した感がありました。
人物と微妙な距離をとりながら、芯に熱っぽいところがあるのは作風かな。

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