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2008年7月 6日 (日)

「動く指」

アガサ・クリスティ「動く指」早川書房

BSで放映されたドラマを見る前に、読んでみました。
1943年の作品。探偵役はミス・マープル。
最近のは暗赤色の背表紙で、クリスティ文庫として刊行されています。
私が持っているのは赤い背表紙の文庫(イラストは真鍋博)ですが、もう紙の色が茶色っぽくて読みにくいので、おいおい買い直すつもり。

語り手のジェリー・バートンは飛行機乗り。
第二次大戦で負傷し、リハビリ中は田舎でのんびり暮らすように医者に勧められて、妹ジョアナと共にリムストックで家を借りることに。
都会派の兄妹が、時に忘れ去られたかのような田舎町へ。
しかし、匿名の手紙が舞い込み、田舎も平和ではないと知ります。嫌がらせを笑い飛ばして最初は面白がった2人ですが。

シミントン弁護士の継娘ミーガンは、学校を出てから何もせず、20歳近くなってもおしゃれっけもなく反抗的で、母親の再婚相手と年の離れた弟たちのいる家庭で浮いていたのでした。今ならニートってとこでしょうか。当時は別に勤めなくとも~女らしくしていれば目立たなかったでしょうが。
ミーガンと親しくなったジェリーは、半ば放置されているミーガンの扱いに憤慨し、かばうようになります。
匿名の手紙が町中に届き、しだいに空気は険悪に。ひどい内容の手紙を受け取ったミーガンの母が自殺してしまうのです。
牧師夫人の元に滞在していたミス・マープルの鋭い目が光ります。

ジェリーとミーガン、妹ジョアナとグリフィス医師の二組の恋模様が楽しい~ロマンス色の強い作品。
ベスト5に入るほどではありませんが~マープル物らしい特色もあり、読み返した回数ではベスト10に入るかも。

[犯人はゼッタイ書きませんが、ややネタばれ含みますので~これから見る人はご注意!]
ドラマは、原作にない大佐の自殺で始まり、これでマープルが村に来たことになってますが、さほど必要性が感じられなかったな…
このシリーズでは、かってはタブーだったことを強調した改変は多いんですが。
ジェリーの負傷の理由が、バイクで自殺を図ったためと一捻りされていました。戦争から無事に帰っても精神的に参っていたわけで、まあ、これはありかな…
そのためジェリーの屈折がやや強くなり、お洒落で陽気に見えるジョアナも兄の自殺未遂で実は心を痛めている女性になっています。

中盤は原作通りのセリフが多くて、楽しめました。
歴史ある古い街並みや2人の住む家の可愛らしいこと!
流行の先端を行くジョアナの派手なファッションも見応えあります。
家庭教師のホーランドが普通の美人になっていて、原作通りの方が面白いかな。
ミーガンの野暮ったいはずの服装は、最近のカジュアルなラインからすると別におかしくないですね。ちょっと時代が早いと思うけどファニーフェイスでヘップバーンみたい?
原作ではジェリーがロンドンに連れて行くのを、ドラマではジョアナが綺麗にしてあげることになっていて、まあそれでも良いけれど~ジェリーの対応がちょっとな…
男性が一方的に女性を救うような描き方は避けたのかしら?
細かい改変があまり効果的でないように思えて、ちょっと気になりました。
好きな作品だけにね~俳優のキャラは合ってるし、基本的にはオッケーなんだけど。

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