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2008年6月19日 (木)

「オドの魔法学校」

パトリシア・A・マキリップ「オドの魔法学校」創元推理文庫

マキリップといえばファンタジーの名作「イルスの竪琴」で一世を風靡したと言っても良いのではないでしょうか。
翻訳が途絶えがちになっていましたが、これは2005年の作品。

片田舎で植物を育てて暮らしていた青年・ブレンダンのもとに、ある日オドと名乗る女巨人が現れ、都にある魔法学校の庭師になってくれと依頼します。
弟も恋人も都に去り、植物を育てる腕には自信があってもそれが魔法だとすら知らなかったブレンダン。乞われるままに都へ出て行きます。

実は、オドは魔法学校の創設者で、昔のヌミスの王と契約を交わした謎の人物。
都では、魔法は厳重に管理されていたのでした。
事情を何も知らないブレンダンの才能に、しだいに気づいた魔法学校の人々は戸惑います。
折しも都のはずれの黄昏地区では、公演中の奇術師ティラミンの技が禁じられている魔法ではないかと疑われ、地区警吏監アーネスがティラミンの娘ミストラルを訪れていました。
美しいミストラルにアーネスは惹かれていきます。
一方、今のヌミス王ガーリンの娘スーリズは、少々おてんば。押しつけられた婚約に反発、禁断の街・黄昏地区へとさまよい出る…

幻惑されるような美しい魔法が展開する、華麗なファンタジー。
原初の魔法的な力の再現と、都会の人々の右往左往する有様の二つの流れがあります。後者は最近のファンタジーのテンポですね。
短い割に登場人物が多くて、最初はわかりにくい。魅力的な設定なのにもっとゆっくり描写すれば~と、ちょっともったいない気がします。
表紙イラストは、「影のオンブリア」に続きKinuko Craft(確か金沢生まれ?米国在住の方です)ミストラルの魔法的な美しさのイメージを十分伝えています。

2006年、世界幻想文学大賞・ノベル賞受賞。
この年のベストノベルは「海辺のカフカ」でした。
マキリップは世界幻想文学大賞、創設年の初受賞者でもあります。

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