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2008年6月 9日 (月)

「重力ピエロ」

伊坂幸太郎「重力ピエロ」新潮文庫

本屋大賞も受賞して、最近のりにのっている感のある伊坂幸太郎。
それぞれに工夫があり、重すぎないけれど血が通っていて、ハズレがないのがなかなかですね。
これは2004年の作品。

仙台の街で放火事件が相次ぎ、落書きを消す仕事をしている弟が事件解決の糸口を見つけたと、兄に連絡して来ます。
入院している父の元へ兄弟は見舞いに行き、一緒にゲーム感覚で謎を解こうとするが…

兄の泉水は、父親が違う弟・春に懐かれ、お守りがわりにと、大事な時には行動を共にしてきたのでした。
遺伝子を扱う会社に勤務する兄は、ひそかに弟を生ませた男のことを探っていました。
美しかった母に似たハンサムで、家族の誰にもない絵の才能を持ち、人を惹きつける並み外れた所のある弟。
母を強姦した犯人の子供という重い運命を背負った弟を囲んで、大事に築いてきた家族だったのですが…

失われるとわかっているからこそ、きらめくような家族の思い出が切ない。
お父さんが見所のあるいい人!なんですがねえ…
細かい章立てにしゃれたタイトルがつき、不思議な雰囲気もあって、いつもより重い内容の割に取っつきやすくなっています。
スタイリッシュなところが面白い。

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