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2008年6月16日 (月)

「仏果を得ず」

三浦しをん「仏果を得ず」双葉社

2007年11月発行。
文楽好きな三浦しをんの文楽小説。
演目が章のタイトルになっているので、興味を持ち始めた人になら、ちょうど面白いのでは。何も知らない若い三浦ファンを引っ張り込むには、ちょっと難しいかなぁ?

健こと健太夫(たけるたゆう)は文楽の研修所を出て、義太夫を語るプロの技芸員として修行中。
師匠の銀太夫に、三味線の兎一郎と組むように言われる。気難しい兎一に振り回されながらも成長していきます。
実は兎一にはかって組んだ相方を失った過去があったのです。

小学校の文楽教室にボランティアで行く話もあったり、エピソードは豊富。
文楽の修行一筋で彼女いない歴8年の健にも恋人が出来ますが…唐突に始まった関係に戸惑い気味。
恋愛を書くのがあまり得意でないように見受けられるので、こんな書き方もあったのね~と思ったり。

「女殺油地獄」の与兵衛の妙な色気の秘密など、面白かったです。
その辺にいるちょっと屈託があって悪いけど~モテモテの若者の雰囲気があるんですね。
そこを人形遣いの脚の部分で出すっていうのがね。
現代人にはわかりにくい部分の解釈など、ほほうと感心します。
健がいつかやりたいと憧れていた仮名手本忠臣蔵を後半でやらせて貰えることになり、恋人と揉めたりしつつ取り組む勘平腹切の段は、すごく盛り上がります!

旅行も多い健はラブホテルの一室に住んでいるんですが、管理人の誠二とは友達。
恋愛に悩む健に誠二の言う「幸せにしたろとか、助けてあげんとか、そんなんは傲慢や。地球上に存在してくれとったら御の字、ぐらいに思うておくことや」ってのは、決まった相手のいない人間のセリフって気もしますが~悩みすぎる人にはけっこう良い忠告かも?

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