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2008年5月21日 (水)

「リヴァイアサン号殺人事件」

ボリス・アクーニン「リヴァイアサン号殺人事件 ファンドーリンの捜査ファイル」岩波書店

ロシアの作家アクーニンの大ヒットシリーズ。98年の作品。
いぜんにシリーズ1作目だけ?訳されたことがあり、今回はシリーズ3作目4作目同時刊行。日本人が出てくるので選ばれたそうです。
エラスト・ファンドーリンというハンサムな青年外交官(実は特捜部)が探偵役。

パリで大富豪と召使い達全員が殺されるという大事件が発生。富豪は有名なコレクターでしたが、その割にコレクションで盗まれたのは一見取るに足りない物。
手がかりは落ちていた豪華客船の金バッジ。これを追ってパリ警察の警部が乗り込むのです。
19世紀末が舞台で、ホームズや怪盗ルパンの時代ですね。豪華客船の旅はちょっとタイタニックや、アガサ・クリスティの作品を思わせます。
大がかりな設定が往年のミステリの雰囲気を出していて、面白いですよ。
乗客達は国際色豊かで、論争になるとお国柄丸出し。戯画化されているけど、楽しめます。

アクーニンというペンネームは、日本語の悪人からとったという日本通。
三島由紀夫など数多くの日本作家を紹介しているそうです。
この作品でも数人の視点が変わる中に日本人・青野銀太郎の手記も出てきます。
留学からの帰途なのですが、小柄で見るからに異質、どうせ野蛮人と思われているのを逆手にとって楽な浴衣で外を歩いたり、かと思うと根深いコンプレックスを抱いていたりもします。

アクーニンには他にもたくさんシリーズ物の作品があり、パスティーシュ的な才能のあるかなり多彩な作家のようです。
莫言と世代は近いんですが~社会も育ちも違うんですねえ…

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