フォト

おすすめ本

« 2色の桜餅 | トップページ | パンとサラダのプレート »

2008年3月 5日 (水)

「悪女の物語」

藤本ひとみ「悪女の物語」中央公論新社

小説ではなく歴史書というか~人物に焦点を当てた本です。
マリー・アントワネットの娘マリー・テレーズと、16世紀後半を生きたマルゴ王妃の2人を取り上げ、丁寧に人生を追っています。
小説と違って冷静な筆致で、時には自身の述懐もちらり。
2000年に婦人公論に連載していた物。

マリー・アントワネットの娘というと、王妃のふくらんだスカートにしがみついて「お母さまぁ!」と言っているイメージしかない人が多いのでは。
牢獄から家族がだんだん移されたり処刑されたりでいなくなっていった後に一人残されていたそうで、少女の運命としては余りに苛酷です。革命が終わってから帰国、従兄と結婚し、一瞬だけ王妃にもなるという数奇な運命には驚きました。
多分事実としてどっかで聞いた事はあったんだろうけど~印象に残ってませんでした。
反動の起きている時代にギロチンに多くの人を送り込む旗頭となっていたとは。厳格な顔つきで、一度も笑った事がなかったとか。
怖いけど、こういう人を悪女っていうのかなあ?
その点は作者も~悪女とされがちな人、という同情的な捉え方です。

マルゴも性格悪いというよりは時代に翻弄された感じです。
男を虜にするという点では、マリー・テレーズよりも悪女の名にふさわしいような気がしますが。
動乱の時代にカトリーヌ・メディシスの娘として生まれたのが運の尽き?
19歳で敵方だった恋人と引き裂かれ、アンリ・ド・ナヴァール(後のアンリ4世)との政略結婚と、聖バルテルミーの虐殺が同時期に起こるという大変な目に遭います。
映画の「王妃マルゴ」で大体の様子は知っていましたが~王妃になったもののその後はナレーションで、幽閉されて生涯を終わるみたいな印象だったので、それだけではないと知ってちょっとほっとしました。
夫とは疎遠で名ばかりの王妃だったわけですが、幽閉先でも監視者を籠絡する魅力があったのなら、まあそれなりに幸福も味わったのでは。
兄達との関係まで噂され、淫乱といわれてますが、いくら何でも普通これだけ次々に恋人出来ないでしょう。強迫的だったのか?よほど恋愛体質だったんですね。
61歳までの生涯に名前が解っているだけでも24人以上いて、亡くなったのも恋人の腕の中だったとか…色気たっぷりの美女だったってことですね。

« 2色の桜餅 | トップページ | パンとサラダのプレート »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「悪女の物語」:

« 2色の桜餅 | トップページ | パンとサラダのプレート »

2019年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

カテゴリー

最近のトラックバック

無料ブログはココログ