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2007年11月 4日 (日)

「イラクサ」

アリス・マンロー「イラクサ」新潮社

主に男女の不可思議さや人生の機微を描いた短編集で、興味を引く取っつきやすい要素から入り、面白く描かれていますが、にしてはずっしりとした読み応え。
ひそかに続く哀しさ、一瞬の激しさ、ときめき、どうしようもない重さ、生命力の明るさ、たくましさ…
なかなかここまでの充実感はないものです…感服!

一作目の「恋占い」は独身の家政婦が一世一代のドレスを選ぶ所から始まり、実は少女達のいたずらで偽の恋文を本気にしているらしいとわかってくる…これがまた意外な展開で~という苦みとおかしみの混ざり合った洒落たお話。
最後の中編「クマが山から降りてくる」は良家に育った美しい妻との馴れ初めから、夫の視点で描きます。いい調子で性の解放の時代には不実も働いてきた夫、でも妻を愛していないわけではないのですが。
認知症らしい様子で老人ホームに入った妻が、他の男性と親しくなり夫を見忘れたりするという思いがけない状況に…
これもまた、さすがに年輪を感じさせる複雑な味わいでした。
[追記:アウェイ・フロム・ハーというタイトルで映画化されました。ジュリー・クリスティ主演で、良さそうですね]

作者は1931年、カナダの生まれ。
68年以降、多くの賞を総なめにし、短編小説の女王と称えられているそうです。
2005年にはタイム誌で世界に影響を与える100人に選ばれたとか。
全然知らなかった…
世界から取り残されていたのか!?(^^;
邦訳は2冊なので、読んだ日本人はまだそれほど多くないかも知れません。ただ他の作家にこれまで影響を与えてきたと思われますね!
そういう意味では既に影響を受けていたのでしょう~。

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