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2007年11月24日 (土)

「飛鳥とは何か」

梅原猛「飛鳥とは何か」集英社

もともと哲学者ですが、既に長年、古代史研究に波紋を巻き起こしている梅原さん。
何といっても聖徳太子怨霊説の「隠された十字架」が非常に面白かったので、コミックの「日出処天子」もあの刺激で生まれたという時代がありました。

これは梅原猛著作集の中の一冊。最近の興味からハードカバーを図書館で借りて読みましたが、文庫でも出ているんですね。専門的でずっしり重い読み応え。猛烈に面白いので、いずれ買うと思います。

飛鳥や斑鳩の土地の意味に思わず納得~うならされました。
古代朝廷は死のけがれをいとう気持ちからか、代替わりするたびに宮殿を点々と移動しているのですね。飛鳥を出たり入ったりという状況~天皇の力が弱い場合に飛鳥の狭い地域に戻る傾向があるという指摘でした。
元々の土地勘がなさ過ぎるので、新しい知識ばかりで興味津々。定説とどれぐらい違うのか、わかりませんが…

梅原説のすべてに同感というわけではないけれど、紀皇女と弓削皇子のあたり、説得力あります。
弓削皇子は晩年の額田王と歌のやり取りをしているために私としては気になる存在。額田王の孫にあたる葛野王と一緒に日本書紀にも登場しています。どちらも持統女帝の時代に傍系になってしまった皇子なんですね(葛野王のほうが早くに生き方を見極めたようなんですが)
万葉集は日陰の存在や悲劇の人の歌を取り上げていることが多いので(歌の役割として鎮魂の意味もあったように思います)、確かに~弓削皇子もたまたま出ているだけではなさそう。
弓削皇子が高松塚古墳の主なのではという説です。

[追記]弓削皇子は天武の大勢の子供のうちの一人。
母は天智の娘の一人で、つまりは持統の異母妹ですから、かなり血統が良い方です。ということはちょっと邪魔な存在になりかねない。祖母は持統には劣りますが。
持統の一人息子・草壁皇子が皇位につく前に早世したため、持統は孫(後の文武)に位を譲るまで頑張ることになります。

そして、紀皇女は弓削皇子が恋歌を送った相手。
紀皇女のことは知りませんでしたが、残された歌の意味深なこと…
実は文武天皇の后だったのではないかという説です。
当時、皇后には皇族を立てるのがしきたりだったと思われるのに、文武には皇后がないまま。皇女は数少ないので、紀皇女しか相当しうる人物がいないんですね。
一度は妃になったのに、皇后になるのを阻止されたとか…藤原家が宮子を強引に天皇の妃に送り込んだ犠牲になったのかも??
他の妃が地位を格下げされるという妙な事件も起こっているし…読めば読むほどあやしい気配が~興味が尽きません(^^)

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