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2007年7月 8日 (日)

「最後のウィネベーゴ」

コニー・ウィリス「最後のウィネベーゴ」河出書房新社

コニー・ウィリスはすごい!
SFの女王と言われる作家ですが、何よりもまず、面白い小説を書く人なんです。
身近な題材を含めた取っつきやすい内容で、おかしくて、しまいに切なくなる…各賞総なめだけのことはあります。
大長編「ドゥームズデイ・ブック」「航路」「犬は勘定に入れません」が有名ですが、これは短編集なので、初めての人にもおすすめ。
6月末に読了した本ですが、07年上半期ベストワンですね。

三つの短編はどちらかというとコメディーライン。
近未来の設定でやや皮肉な展開ですが、にぎやかな女達のお喋りで描かれる「女王様でも。」は2人の娘を育て上げた母親の実体験を彷彿とさせます。
2作目は時間旅行の研究段階に起こる奇妙な出来事を、これまた実感こもったPTAの立場から~ユーモアたっぷりです。
3作目は日本製の宇宙ステーションが舞台。異星人を接待しなければならないカップルが狭い部屋で右往左往します。往年の映画のようにロマンチックな所もあり、「古き佳きSF」といった趣。

そして、表題作の最後の中編が何とも…
取材に忙しいカメラマンの仕事が意外な展開に…地味な要素がぴたっとはまり、小さな奇跡を呼び起こすのです。
喪われていく物への哀切な気持ち、一瞬のきらめき、希望、そのはかなさ。
読んで下さい!

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