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2007年2月25日 (日)

「孤宿の人」

宮部みゆき「孤宿の人」新人物往来社

宮部さんの時代物、06年の新作です。
舞台は讃岐国の丸海藩(丸亀藩がモデルの架空の土地)
江戸が舞台の物とはちょっと雰囲気が違いました。
お取りつぶしを恐れる小藩の辛さなどはちょっと藤沢周平ぽい?
女の子達が印象的なのが宮部さんらしいかな…

江戸で日陰の身に生まれ、養父母にも放置されていた幼い少女ほう。
金比羅様へお参りに出されたのが縁で讃岐の国に流れ着きます。
医者一家や岡っ引き見習いのいきの良い娘宇佐に親切にして貰い、初めて人間らしく暮らします。

その頃、幕府の要人であった加賀殿が乱心して事件を起こしたため流刑となり、丸海藩が預かることになりました。いわく付きの屋敷に閉じこめられ、悪運を運んできたのではないかと何かにつけて悪い噂が広まっていきます。
罪人といえども死罪をはばかった幕府の手前粗略にも出来ず、苦慮するお役人達。
一方、女の身で半人前とそしられながら宇佐は小さな事件を一つ一つ追っていきます。

ほうは幽閉先の屋敷へ奉公に出されることになり、下働きをするうちに加賀殿に手習いを教わることになります。意外な面を見せる加賀殿に教えられて成長していく少女。
けれども、藩内の思惑が絡み合い…

シリアスなだけに哀しい話ですが~
晴れわたった空と青い海のすがすがしい光景が最後に印象に残りました。
少女のピュアな心とほうに寄せる人々の暖かな思いが結末の苦さを和らげています。
宮部さんはあまり生な感情を出さずに描写していく人ですが、女性が簡単に不当な目に遭う事に対しては、淡々と描きつつも静かな憤りを感じているのがいつも伝わってきますね。

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