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2006年11月18日 (土)

「公爵家の相続人」

ローリー・キング「公爵家の相続人」集英社文庫

「シャーロック・ホームズの愛弟子」シリーズの新作。
時代は第一次大戦中となっています。
前作「エルサレムの道」で出会った男アリとマフムードはアラブ人そのもののようでしたが、実は潜入していたイギリス貴族。
彼の地で生まれた絆を頼りに転がり込んできたアリの、マフムードこと従兄のマーシュ公爵の危機を救って欲しいという依頼で、ホームズと妻のラッセルは彼らの生まれた地へ赴きます。
豪奢な邸宅ジャスティス・ホールを中心に展開する大貴族の暮らしぶりがありありと描かれ、読み応えがありますよ。男勝りのラッセルもあわててドレスを取り寄せたり、大規模な社交行事としての鳥撃ちで銃の腕前を披露したりとこれまでにない経験をするんです。

従兄弟二人が20年も異境にあって生き生きと暮らしていたという設定にもビックリですが、何となくそこがイギリス貴族らしいような気も…?
実は結婚していた!マーシュの妻アイリスの正体?も、いかにもキングらしいです。
マーシュは長兄とその一人息子の死でやむなく跡を継いだのですが、その甥が戦場で不名誉な死を遂げたことも心に重い影を落とし、生きる屍となりかけていたのでした。
ヨーロッパの塹壕線の無惨さや当時は兵士が裁判もなく見せしめのために処刑されていたことなど、苦い現実を取り入れて、輪郭のはっきりした構成になっています。

このシリーズは引退後のホームズがあろうことか結婚し、夫婦で事件に関わっていくという一種のパスティーシュ。昔はむかついて手に取らなかったんですけど~これがなかなか良く書けているんです。
家族を事故で失った男の子みたいな15の少女と出会ったホームズが才能を見いだして探偵術を仕込み、後に結婚するという展開でした。
作者自身が年の離れた恩師と結婚した経験が物を言っているようです。

既に8年がたち、今回の事件は余りホームズものである必然性はありませんが、大勢の個性豊かな登場人物を巧みに配し、公爵家の跡継ぎ問題をドラマチックに盛り上げています。面白かったですよ!

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