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2006年10月28日 (土)

「エムズワース卿の受難録」

P.G.ウッドハウス「エムズワース卿の受難録」文芸春秋

世界中にファンがいるというユーモア小説の大家ウッドハウス、代表作はジーヴス物ですが、その次に人気があるのがこのエムズワース卿物だとか。
ジーヴス物ほどではないのだろうと思ったら、これが何とも面白いんですねえ!
訳文が生き生きしていて素晴らしいんです~水を得た魚のように楽しみながら訳されたんじゃないかな?

主人公は第9代エムズワース伯爵クラレンス・スリープウッド。
脳みそは綿菓子のようで性格はおっとり、願いは美しいブランディングス城でのんびり平和に暮らすこと。
末っ子のフレディはトラブルメーカーですが、ほかの子供達は巣立ち、奥方は既になく、最強の妹レディ・コンスタンスに脅されながら貴族の義務を果たそうとしています。…というか、何とか逃げようとするのをコンスタンスにとっつかまるといった方が良いかな。
最大の関心事は品評会に出すカボチャや見事な豚のことで、弱いおつむはほとんどいっぱい、コンスタンスの小言も耳に入りません。美人のコンスタンスもアガサ伯母さんほどは怖くなくて、なかなか意外性があって面白いです。
「南瓜が人質」や「豚よほほほぉーい」などで、頑固者の庭師に気を遣う有様も面白おかしく語られます。
フレディはバーティにちょっと似ていますが、アメリカの富豪の娘と結婚後はセールスに才能を発揮するという展開に。この関係で老伯爵が生まれて初めてセールスを試みるエピソードも。
若い者達の結婚騒動はジーヴス物でお馴染みの調子、執事も出てきますが、ジーヴスほどは目立ちません。
妙に利口すぎるかっての秘書が甥の家庭教師になって舞い戻ったのを城から追い出そうという「ブランディングス城に吹き荒れる無法の嵐」も傑作でした~。

推理小説ではありませんが、古典的推理小説に影響を与えたことが巻末にまとめられていますので、カテゴリに「ミステリ」も加えました。
歴史小説として書かれた作品でもないのですが、イギリス貴族の伝統的な暮らしがうかがえるので「歴史もの」というカテゴリも。
厳密には「書籍・雑誌」というカテゴリしか当てはまらなかったので、ついに「海外小説」というカテゴリも新設しちゃいました。国内小説は少ないので前に作ってあったんですけどね~。

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