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2006年9月29日 (金)

「わたしが幽霊だった時」

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ「わたしが幽霊だった時」創元推理文庫(浅羽莢子・訳)

最近お気に入りのダイアナ・ウィン・ジョーンズ、81年の作品。
73年にデビューして、これが12作目。
まとまりの良い作品ですが、非常にユニークです。

「わたし」は気がついたら身体がなく、自分が誰かもわからなくなっていた…
どこか見覚えのある草地や学校を漂いながら、ここが自分の家かも知れないと思う所へたどり着きます。
寄宿制の男子校を経営する両親の4人の娘、このうちの誰からしい…
10歳から15歳の姉妹はそれぞれ才能はあるが気が強くてケンカばかりの毎日。
「わたし」の姿に犬はおびえて吠え、透き通る姿に気づいて悲鳴をあげる人もあり、どうやら幽霊になったらしい!?

はっきりした記憶のない、姿もない状態でさまよう感覚を鋭く描写していて、上手いです。
4人姉妹で親が教育者というのは、ちょっと若草物語に引っかけてあるのかも?風刺が目的というわけではなく、よく知っている少女をモデルにしているそうです。
主人公の正体がなかなかわからないまま、姉妹の強烈さに圧倒されます。ここでひく人もいるんじゃないかと思いますが~最後まで読むと、別な面も出てきてなかなか。
これは思春期の爆発が起こっている年齢なのと、実体のない主人公が感覚的にやや誇張して捉えているせい。もう一つ、忙しい両親にほとんどネグレクトされているために彼女たちが荒れている時期だったのですね!

古い人形をモニガンと名付けてこっくりさんのような遊びをしていて、何かが起きたらしい…
ホラー風味もあり、時空を超えるSF的要素もあります。
ケンカばかりの姉妹もいざという時には個性を生かして協力し合うのですよ~。

訳者後書きの日付は93年なのですが、浅羽さんは惜しくもつい最近亡くなってしまわれました。この本を読み終わった直後でした。
まだお若いのに…
ドロシイ・セイヤーズやジョナサン・キャロルなどの翻訳で、なくてはならない方でした。先日、コメントで教えていただいて、再認識したばかり。
良いお仕事を十分にたくさんなさったということだと思いますが、あるいは激務だったのでしょうか。
ご冥福をお祈りいたします。
これからも未読の物をたくさん読めることを感謝するしだいです。

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