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2006年8月28日 (月)

「裁かれる花園」

ジョセフィン・テイ「裁かれる花園」論創社

「時の娘」で有名なテイの1946年の作品。
このブログでもご紹介した「魔性の馬」の好評で刊行されることになったようです。

テイって体育教師だったんですね。
その経験を生かして~元体育教師のベストセラー作家ミス・ピムが探偵役。旧友が学長をつとめる名門の女子体育大学で講演するために訪問、卒業公演まで滞在することになります。
孤独がちなルーシー・ピムは若々しい生徒達に素直な好意を向けられて、幸せを感じるのですが、じつは卒業試験や就職問題でぴりぴりしている学内では、少しずつ問題が現れてきます。

名門の出で華やかなボー、群を抜いて優秀なイネス、ダンスが得意なラテン系のデステロ、おっちょこちょいのデイカーズ、クラスから浮いているが学長のお気に入りのラウス…
それぞれの行く道はどうなるのか?
学内の雰囲気や、生徒たちの個性が生き生きと描かれて、生々しいほど上手いです。
ここにもエオウィン(指輪物語の)やハリエット(ウィムジイ卿ものの)がいる、という気がしました。才能がありながら方向性に苦しみもがく女性が…
ミステリとしてはやや変わっているかも知れませんが、事件だけでなく人間の多面性を描いたノンシリーズの先駆というか~ポワロさんのように性格や心理を分析することで犯人がわかる、というタイプに入るかな。
ミス・ピムはもともと探偵ではない、巻き込まれ型なので~最初に犯人と判断した相手が違っていても、仕方がないのか…ちょっと、その辺見えてしまいますけどね?
「魔性の馬」の方が感じ良さでは上ですけど、これもなかなか読み甲斐はありました。
1946年にこのレベルですからねえ…
日本では若い女性達がどんな暮らしをし、どんな本が書かれていたでしょうか。

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