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2006年6月18日 (日)

「あなたに不利な証拠として」

ローリー・リン・ドラモンド「あなたに不利な証拠として」ハヤカワ・ポケット・ミステリ

警官として5年働いた経歴のあるドラモンドが12年かけて書いた短編を集めた処女作品集。
タイトルは、逮捕する時に容疑者に告げなければならない「あなたの発言は法廷で不利な証拠として使われる可能性がある」というミランダ警告から。
作者と同じバトンルージュ市警に勤める5人の女性をめぐるエピソードを描いていきます。

伝説的な婦人警官キャサリンの意外な一面、作者と同じように事故にあって警察を辞めたリズ、かって虐待された父と現場で出会った時に銃を向けたモナ、夫が関わった事件の再調査をすることになるキャシー…
緻密な描写に臨場感があり、かってない迫力。最初の方の短編は実録的な事実を知る興味を満たす所が多いですが、それだけではないふくらみのある作品集です。
特に最後のサラは印象的で、止めることの出来なかった悲劇的な事件から逃げるようにバトンルージュを遠く離れて暮らすうちに、メキシコ人の老女や村人たちとの関わりによって生きることを再び見い出していきます。

絶賛されているようで、たしかに今年の収穫の一つなのは間違いありません。
ただし、推理小説ではないし、女性が探偵役のエンタテインメントというのでもありません。
若い女性が直面した現実を見つめ、辞めてからの思いも丁寧に描いています。痛ましい事件や仕事のストレスがずっと頭から離れずに、どう捉らえたらいいのか、どうすべきだったのか考え続けていたんだなあ…
その真摯な態度にうたれるものがあります。

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